主な注目点

・人気の高いクリーブランドの“易しいウェッジ”が新たなコスメで登場

・独自の「ブラックサテンPVD仕上げ」を採用、耐久性を最大限に高めているという

・スチールシャフトは$139.99、カーボンシャフトは$149.99で、12月18日に発売

今回のクリーブランド「CBX2ブラックサテン」ウェッジの発表は驚くべきことではない。

「CBX2ライン」の2年目を迎えたクリーブランドは、他メーカーと同様、人気のある製品にスパイスを加え、2年目の売り上げ増を目指している。

皮肉屋はこれを金儲けと呼ぶかもしれないが、実用主義者なら賢いビジネスと呼ぶだろう。

では、我々はなんと呼ぶのか、そのものずばり、新しい仕上げを施した同じウェッジ、しかも追加料金なしだ。

ここまで読んで、疑問が頭に浮かんだであろう貴殿にお答えしよう。

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CBX2ブラックサテンウェッジ〜つまりどういうことなのか?

クリーブランドが2017年に初めて「CBX」ウェッジを発表したときに伝えたのは、「我々のほとんどが間違ったことをしている」という非常にシンプルなメッセージだった。

クリーブランド曰く、ゴルファーの84%が易しいアイアンを使用しているのに、ウェッジはいまだに伝統的なツアースタイルのブレードタイプを使っているという。

論理的に考えればウェッジも初代「CBX」のような易しいタイプを使うべきだろう。2019年8月には2代目となる「CBX2」が、また今年(2020年)初めにはキャロウェイとミズノも易しいウェッジを発売している。

どうやら、その論理は浸透しているようだ。

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また、2年目の製品のリフレッシュも流行のようだ。

タイトリストやテーラーメイド、キャロウェイ、ウィルソン他が2年目のアイアンに新しい仕上げを施し、追加料金をとって提供している。クリーブランドがやっているのも同じ事だ。ただし、「追加料金」はかからない。

クリーブランドのプロダクトマネージャー、ケイシー・シュルツ氏はMyGolfSpyに次のように語っている。

「シリーズにコスメの選択肢を“ひとつ増やしただけ”のことです。多くのゴルファーからこのウェッジシリーズを『ブラックサテン』で提供して欲しいという声が届いていたので。」

「ブラックサテン」はクリーブランドのウェッジにとって初の試みではない。

10月には「ZipCore」ウェッジの新作で、1月には「CBX2 Full Face」ウェッジでブラックサテン仕様が登場した。

「CBX2ブラックサテン」ウェッジはオリジナルの「CBX2アーサテン仕上げ」と同じウェッジなので、技術的側面について繰り返すことは避け、その代わり、仕上げに焦点を当てる。

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漆黒サテンの夜

クリーブランドは「CBX2ブラックサテン」ウェッジに「PVD加工」を施している。“たいまつで焼いたり”“ピッチフォークで剥がしたり”する前に、まず「PVD」とは何かを理解しておこう。

「PVD」は「物理的気相成長法」を意味し、ゴルフを含む多くの業界でよく使われる「コーティング過程」である。

コーティングは真空中で、華氏300度から930度の範囲で行われる。材料自体は凝縮した段階から気相に変形し、コーティング過程で再び凝縮状態となる。

「ダイヤモンドブラックメタル(DBM)」の耐久性には劣るものの、よりグレードの高い「PVD」は金属加工のための切削工具のコーティングに使用されている。

よく言われる説に反し、初期段階ですり減ることはない。

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「可能な限り最も耐久性の高いPVD仕上げを見つけるため、研究と試作に多くの時間を費やしてきた」とシュルツ氏。「(当社の)プロセスは独自のものでありコストもかかる」。

シュルツ氏は、「CBX2ブラックサテン」ウェッジは、ラウンドを重ねても、その仕上げを維持すると主張する。実際には、時間が経つにつれ僅かな摩耗は見られるだろう。

しかし、「PVD」は、すり減りやすい「ブラックオキサイド」や「ブラックニッケルコーティング」とは全く異なるものだ。

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カスタムオプション

クリーブランドのカスタムプログラムはゴルフ界では非常にお得だろう。$10で「CBX2ブラックサテン」ウェッジに5文字までの刻印を施すことができ、さらに$10でカスタムペイントフィル(色づけ)も可能だ。

「CBX2ブラックサテン」ウェッジには、オリジナルの「CBX2」と同じく3つのソール形状がある。46°から52°のモデルにはフルショットのためのクリーブランドの「Vソール」を採用。

また、54°と56°ではバンカーショットや多様なショットを想定した「Sグラインドソール」。

そして58°と60°のモデルには、フェースを開いた特定のショットを可能にする「Cグラインドソール」がラインナップ。

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スペック、価格および発売時期

前述の通り、クリーブランド「CBX2ブラックサテン」ウェッジは、2°刻みのロフト角で、46°から60°がラインナップされている。

スチールは「ダイナミックゴールド115」ウェッジシャフト、カーボンはクリーブランド独自の「Rotexプレシジョン」が標準。

グリップはラムキン「360」。シャフトとグリップは多くの選択肢からカスタムオーダーすることも可能。ものによっては追加料金がかかる場合もある。

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そしてレフティには朗報だ。クリーブランド「CBX2ブラックサテン」ウェッジの全モデルに右利き左利き両方の用意がある。

「ブラックサテン」仕上げによる割増はない。価格はスタンダードなツアーサテン版と同じ、スチールシャフトは$139.99、カーボンシャフトは$149.99。

12月18日から店頭に並んでいる。