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タイトリスト PRO V1/V1X ボールに蛍光イエローが登場 ~実はホワイトより飛ばない?~

BY TONY COVEY

January 23, 2019

ピンが最近になってドライバーに可動式ウェイトを採用したのと同様に、タイトリストにもイエローボールを発売するまで時間がかかった理由があるはずだ。

「2019年の新Pro V1/V1xにイエローが加わる」 わかりやすい見出しだが、新しいカラーが追加されたことが「ストーリー」のすべてではない。 「#1 Ball in Golf」で知られるタイトリストの最新ボールの特徴は、「スピード」だという。特に、これまでのPro V1の特長である120ヤード以内のパフォーマンスを損なうことなく、ロングゲームでも飛距離が期待できる、と謳っている。 それはとても重要な要素だ。ここ数年、ボールメーカーはロングクラブやミドルクラブでの飛距離性能を高めてきたが、アベレージゴルファーにはグリーン周りでの扱いがやや難しかった。 この弱点は、まだ他メーカーが実現していない「ショートゲームを犠牲にせず、スピード性能に優れたボール」を開発するきっかけをタイトリストに与えた。 タイトリスト PRO V1 V1X ボール 蛍光イエロー  

なるべく変えずに、飛距離を伸ばす

新ボールの開発では、ツアープロを含むタイトリストの専門家たちが大きく貢献した。 タイトリスト開発部門はフォーカスグループに潜入し、ゴルファーたちに新ProV1に何を求めるかをヒアリングした。 現行品を変えてほしくないという意見も多くあったが、最も多かったのは「飛距離はもっとほしいが、打感や弾道、スピンなど飛距離以外のProV1の良さは残してほしい」というものだった。 実にシンプルだ。 開発に戻ると、開発チームは試作品をいくつか作り、変動要素を取り除き、レイヤーの厚さを検証しながらカバーの薄肉化や新しいコア構造を試した。 最終的に、「ボールスピードを加速させる要素を強化し、そうでないものは減らす」という設計に行き着いた。 その代表例がカバーだ。タイトリストは独自のキャストカバーがゴルフを変えると言うが、カバーはボールスピードには関係ないという説もある。 カバーを薄くしてもボールスピードは上がらないが、薄くすることでボールの他の部分にパワーが伝わる可能性はある。その目的で、タイトリストは新Pro V1とPro V1xのカバーを約17%薄くしている。 タイトリストは、カバーを薄くすることで性能や耐性が上がるとは謳っていない。事実、現行のPro V1と同じ性能を発揮する、というのが新製品のセールスポイントだ。 タイトリスト PRO V1 V1X ボール 蛍光イエロー カバーの薄肉化によって、キャスティングレイヤー(他のメーカーではマントルと呼ぶところもある)をPro V1で14%、Pro V1xで11%厚くすることに成功した。タイトリストによると、キャスティングレイヤーの厚みが増したことにより、ロングゲームでのボールスピードは速く、スピンは減少するという。 カバーの薄肉化に成功したため、コアの容積を変える必要性はなかった。とはいえ、ボールの構成要素として重要なコア部分がアップグレードされていないというわけではない。例えば新Pro V1ボールのコアには、2.0 ZGという工程が採用されている。 この新工程により、アウターはより硬く、コアの大部分はより軟らかくなった。まるで「技術の粋を集めたフォンダンショコラ」のようだ。テクノロジーを駆使しなくても、工程を見直すだけでロングゲームでのボールスピードの向上や低スピンを実現できることを証明したのだ。 ここに新Pro V1ボールのテーマを感じる。 繰り返しになるが、Pro V1が新しくなったからといって120ヤード以内のパフォーマンスに変わりはない。飛距離を伸ばしつつ、グリーン周りでの性能を犠牲にしていない。これが、新Pro V1の「ストーリー」だ。 また、先に言及しておくが、タイトリストは両モデルに同じ改良を加えているため、両モデルの相関関係は変わっていない。Pro V1xは、Pro V1より高い打ち出しとスピンが特徴。AVXも変わらず、Pro V1に比べて打ち出しが低く、スピン量は少ない。  

イエローの登場

タイトリスト PRO V1 V1X ボール 蛍光イエロー そして、蛍光イエローが登場する。これは嬉しいニュースだ。 フラッグシップのボールにイエローを追加したのはタイトリストが初めてではない(最後でもないだろうが)。ピンが最近になってドライバーに可動式ウェイトを採用したのと同様に、タイトリストにもイエローを発売するまで時間がかかった理由があるはずだ。 理由は容易に想像できる。タイトリストは、これまでイエローを展開する必要を感じていなかったのだ。 Pro V1シリーズは誰もが知るとおり、ボールカテゴリーでNo.1の売上を誇っている。しかもカラーボール(イエローやピンク、キャロウェイのTruvisデザインなど)が全体にを占める割合は約20%だ。 カラーボールの売上は伸びているが、Pro V1のイエローだけが飛び抜けて売れるとは考えにくい。 また、ツアー使用率は伸びているが、ここ数年タイトリストボールのシェアは落ちている。 一方で、キャロウェイのChrome Softが約20%までシェア(ドルベース)を増やし、テーラーメイドのTP5シリーズも売上を拡大している。 このような状況下で失ったシェアを取り戻すため、タイトリストがPro V1にイエローを追加するのは理にかなっている。 このキャストウレタンカバーの工程は、「塗って終わり」という簡単なものではない。タイトリストゴルフボール部門マーケティング副社長のマイケル・マハニー氏は、イエローカバーのキャスティング工程は「化学」だという。 タイトリスト PRO V1 V1X ボール 蛍光イエロー テーラーメイドがイエローボールを出すなら、ルックスにはこだわるべきだ。 他のメーカーなら「変わり映えしない、くすんだボール」でもいいが、タイトリストはそんなボールは造らない。タイトリストのイエローボールは、単に色を塗っただけのカバーで終わらない。 新Pro V1のイエローは透き通っているので、キャスティングレイヤーも塗装する必要がある。最後に、ボールを保護するためのパールコーティングを施している。 設計としては3つの要素が変わったが、そのすべてにおいてPro V1のホワイトとまったく同じ性能を持つように改良しなければならない。 簡単だと思うかもしれないが、実際は難しい。 ゴルフボールのレイヤーに何かを加える際は、方法や素材の分量が変わる。ほとんどのゴルファーは、市場にあるイエローボールの性能はホワイトとまったく同じだと思っているようだが、本当だろうか? そうではないと、私は考えている。 タイトリストには守るべきブランドがあり、イエローが失敗したとしても挑戦しないこと自体がリスクなのだ。Pro V1ホワイトとまったく同じ性能のイエローボールを造ることができれば、タイトリストはPro V1イエローを発売する意味がある。 もちろん選択肢が増えるのは素晴らしいことだが、市場にはどんなインパクトをもたらすのだろうか。 タイトリストによると、ツアーでは期待以上の関心を得ているというが、すでに使うボールが決まっているプロを相手にすることになる。 多くのプロがツアーでPro V1イエローを使うかもしれないし、誰も使わないかもしれない。タイトリストの契約プロがPro V1イエローを使って優勝したら、一気に売上が伸びることも考えられる。 もしそうならなかったとしても、現在他社のボールを使っているゴルファーが新色のイエローに興味を示してくれることをタイトリストは願っている。 タイトリスト PRO V1 V1X ボール 蛍光イエロー  

販売予定と価格

2019年のPro V1とPro V1xはすでに発売されているが、蛍光イエローは3月15日から販売される。価格は、1ダース47.99ドルだ。

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著者情報

TONY COVEY

編集長
MyGolfSpy創業初期から参加したメンバーであり、現在は編集部を率いる編集長
記事制作だけでなく、MyGolfSpyのデータ主導型テスト手法の構築にも深く関わってきた。現在も膨大なテストデータを分析し、ゴルファーのクラブ選びやスコアアップにつながる発見を記事として届けている。
トニーが大切にしているのは、「事実とマーケティングを分けて考えること」。メーカーが発信する情報をそのまま伝えるのではなく、実測データや検証結果をもとにゴルファー自身が判断できる情報を提供することを重視している。
流行や話題性よりも実際の性能を優先する姿勢は、MyGolfSpyの編集方針そのものと言える。
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