・フジクラの「MCパター」はパターシャフトシリーズの第2世代

・ストロークタイプに合わせて3つのフレックスをラインナップ

・価格は250ドル


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カーボン、コンポジット、複合素材……なんと呼ぼうが、パターのシャフトはなんでもありというわけでもなかったが、状況は変わりつつある。キャロウェイは「Stroke Lab」をほぼメインのシャフトにした。デシャンボーも「LA Golf shafts」のパターを含め14本のカーボンシャフトを使用中。私も自分のパターに「BGT Tour」を装着している。三菱レイヨンにもいくつかのオプションがあるが、最近ではフジクラの第2世代「MCパター」がスチールシャフトに代わる選択肢として増えてきているのだ。

「MCパター」は、オマケがついているわけではないが、シャフトの未来はカーボンになる可能性があることを示唆していると言えるだろう。


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なぜカーボンなのか?

具体的な話をする前に、どうしてカーボンのパターシャフトが良いのかを説明しておこう。

カーボンは高級だから。以上。

なわけない…。

当然ながら、カーボンのパターシャフトを製造している各メーカーは、それぞれの性能の根拠を説明している。こうしたシャフトには様々な種類があるが、共通しているのは、カーボンパターシャフトは「低トルク」であるということだ。

パターとボールのインパクトのスピードは、ドライバーでのスピードに比べると遅くなるものだが、オフセンターヒットの場合、カーボンパターシャフトはより捻れに強い。そのため、パターフェースのブレが抑えられ、結果として“スピード(転がり)”、“打ち出し方向”、“バラつき”が安定し、カップインする可能性が高くなるというわけだ。


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フジクラ「MCパター」

こうした中で、フジクラは「MCパター」によりフィッテインング要素を取り入れようとしているようだ。モデルは3モデルあり全て115gだが、他のフジクラシャフトと同様、硬さのバリエーションは豊富になっている。

フジクラの初期データによると、プレーヤーによるが、1つのモデルがその他2つを使用したときよりも明らかに優れたパフォーマンスを発揮するということが分かっている。そして、その理由を完璧に解明する研究が現在も進行中だという。


「MCパター」- SMOOTH

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3モデルの中で、「Smooth」が最も柔らかい。予備データによると「Smooth」は「長めのストローク」をするゴルファーに一番マッチするとのこと。フジクラでは、このモデルはリズムを改善し、ストローク中のヘッドのフィーリングを高める効果があるという。

注目点は、柔らかくてもトルクが大きくないこと。「Smooth」のCPM(振動数)は307(スチールシャフトは425-450)だが、トルクはたった1.3度と「MCパター」シリーズで最小数値となっている。

参考までに、スチールのパターシャフトの方がトルクは大きい(2~2.5度)。LAGPのシャフトは2度前後で、「スタビリティシャフト」は1度前後と低いトルクとなっている。


「MCパター」- X-FIRM

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「SMOOTH」と正反対に位置するのが「X-Firm」だ。CPMは607で市場にあるパターシャフトの中で一番硬く、聞いた話では鉄筋と同じように曲げることができるという。

フジクラによると、トルク1.6度の「X-Firm」は、パチンと「弾くようなストローク」をするゴルファーや、硬いシャフトのフィーリングが好きな人に向いているという。


「MCパター」- FIRM

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「Firm」のCPMは454。「平均的なストローク」をするゴルファーに適しているという。「Smooth」ほど柔らかくはないが、スチールよりも柔らかく感じられるはずだ。


構造

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フジクラでは、「MCパター」シリーズの特有のパフォーマンスを実現するために、構造に対して独自のアプローチを施した。

先端部には8インチのスチールを採用し、過剰に層を重ねることなく低トルクを実現。バット部にはカッパー(銅)を採用することでバランスをとり、バランスポイントを中央に寄せている。最後に、フィーリングを高めるためにシャフト全体にラバーコアとカーボンを一体成形させたのだ。

これら全てにより、スイングウェイトはスチールよりもやや重くなり、「スタビリティシャフト」よりもやや軽くなっている。


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販売はゆっくり、じっくり

「MCパター」シャフトがあなたに必要なのかは分からない。しかし、まだこのシャフトのテストを始めたばかりではあるが、仮にパターのスチールシャフトに代わるものを考えたことがなくても、このシャフトは興味深い選択肢とは言える。

残念なのは、互換性があるのはプランバーネックタイプ(チップ径0.335または0.370)に限られるということ。フジクラでは、現在、多くのパターにこの「MCパター」を装着できるようアダプターの開発に着手しているようだ。確かにこれは大きな制約となるのは間違いないが、最大の障壁は(多くのケースでそうなのだが)価格になるだろう。

フジクラの「MCパター」シャフトの定価は250ドルで、これまでパターシャフトを替えようと思ったことがない人にとってはかなりの高額。きっとあなたもその一人なのではないだろうか。

「MCパター」は現在発売中。