ミズノからついに「JPX921」アイアンが発売される。私自身も、MPの美しさを高く評価し、JPXに傾倒しているミズノファンのひとりだ。新作モデルが出るのを、いつも首を長くして待っている。

特定のブランドやクラブファンには、それぞれのストーリーや歴史、共感するに至ったきっかけがあるはずだ。もしかしたら、在りし日にプレーしたクラブかもしれないし、あなたのクラブが褒められた時かもしれない。どんな理由であれ、「ミズノ」のクラブというだけ十分な理由になる。

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私のきっかけは「JPX850」だった。今でもお気に入りのアイアンの1つであり、手放したことを何度も後悔した。幅広い商品ラインナップの中でも、「JPX850」は中級者向け以外のアイアンとして、JPXを再構築・再定義するきっかけとなったアイアンだ。

「JPX EZ」では、一部元に戻ったが今回はそれに触れないでおこう。

メジャーモデルを追加した「900シリーズ」の登場で、ミズノは近代テクノロジーを駆使したモダンラインとして「JPX」の新しい地位を確立した。進化した「JPX919 Tour」は、メジャーのシェアにかかわらず注意を集めたし、実際に日本のミズノで製造現場を見たときから、私にとって常に特別なアイアンであり続けている。

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MYミズノ

“Myミズノ“は間違いなく「JPX」アイアンだ。最も愛着があり、新モデルが出るたびに最も投資しているクラブでもある。だから正直に話そう。素晴らしい点はたくさんあるのだが、同時に懸念材料がないといえば嘘になる。

それについても触れたいと思う。

ミズノは、アイアンを発売する度に、「キャッチフレーズ」を発表する。今回はその経緯には触れず、「JPX921」の代名詞となるキャッチフレーズだけ教えよう。

それは、「Spec Recalibration(スペックの再構築)」だ。

以前の「Nothing Feels Like a Mizuno(ミズノのようなフィーリングは他にない」のようではないが、同じくらいインパクトがある。 ミズノ,JPX921,アイアン,ゴルフ,クラブ

ミズノ 「JPX921」 -スペックの再構築

ロフトの改良や、過剰に強調されるスピード、現代のアイアンに付随するすべてに対応するため、ミズノは飛距離との戦い、そして最終的には価格との戦いで競争力を維持するための対策を立てる必要があった。

彼らの描いた筋書きを台無しにするリスクがあっても、「JPX 921」最大の改良は、ツアーモデルを除いて、ほとんどを「JPX 919」よりも1度ストロングロフトにしたことだ。これにより、「JPX 921Forged」 7番アイアンは31度、「Hot Metal」と「Hot Metal Pro」のPWは44度になった。

ミズノがロフトを変える?

率直に言って、そうせざるを得なかった。現代の実用的なやり方に適応しなければ、明らかに他より短いアイアン、伝統に固執した人になってしまう。

一部の伝統主義者には合わないかもしれないが、「JPX」は本質的に“モダン”クラブであるという事実から目を逸らせてはならないし、「JPX Forged」は飛距離という点でそれほど競争力がなかったため、スペックの再調整は必須だった。

慣れるのに時間がかかると思うので、ロフトが変更されていない「JPX 921Tour 」モデルから深く掘り下げてみよう。


ミズノ 「JPX921 Tour」モデル

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「JPX921Tour」は「JPX921」シリーズの中で最も変化の少ないモデルだ。他のモデルと比較しても、「Tour」モデルはテクノロジー的にも軽く、スピードの大幅な向上が最優先ではなかったことを考えると当然かもしれない。

「問題がなければ改良する必要なし」という言葉通り、「JPX921Tour」の改良はごくわずかだ。ヘッドシェープはすでにPGAツアーで受け入れられており(ブルックスは十分に満足と言っている)、クラブ性能はこのカテゴリーで期待されるすべてを満たしている。

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ではどこを大幅に改善したかというと、「Stability Frame(スタビリティー・フレーム)」の再設計に尽きる。少し別の方法でリシェープし、別の場所にウェイトを再配置したという。念のため、「Stability Frame」の再設計については、この記事でさらに触れる予定だ。

「JPX919」はトゥ側にウェイト配置されていたが、ある意味JPX921も同じだ。しかし、厳密にはそれ程トゥウェイトではない。トゥからウェイトを取り除き、インパクト部分の背後を厚くすることにより、打感を改善したと説明した方がいいだろう。

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ミズノ JPX921 Tour -「やさしさ」の向上

ミズノがやさしさを測る際に使う「スイートスポット」が、「Tour」モデルではわずかに広くなった。そのほとんどが、上下方向のMOIが増したことが理由で、「スピンの安定」をもたらす。つまり、フェースの上下部にあたったときのスピン量が安定する。

比較するとすれば、「MP-20 MMC」のスイートスポットとほぼ同じサイズだ。中級者向けレベルのやさしさではないが、正当なツアーアイアンよりかはやさしい。

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また、ショートアイアンのソールを狭くしたことで、芝のぬけや操作性が良くなった。一方のロングアイアンのソールは、高い打ち出しを促進するため少し幅広に設計されている。

ミズノのプレーヤーズアイアンらしく、「JPX921」は1025Eミルドカーボンスチールによる「Grain Flow Forged (グレインフローフォージド)HD」が特徴。これが柔らかな打感を生み出す秘訣だ。

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ミズノ JPX 921 Tour -熟練された職人技

「JPX921Tour」は、日本のミズノの職人が手作業で形を作った最初のJPXアイアンだ。以前にもその工程を説明したことがある。ミズノMPゴルフクラブはすべて、生産に入る前に養老工場を通過しなければならない。

ミズノのMPアイアン開発プロセスの最終ステップの1つとして、CADソフトウェアで作成された原鉄の型が職人に渡される。彼らの役割は、製品をさらに手作業で成形し、CADから残っている粗いラインやエッジを削り取り、ミズノの特徴的な流れるような形状作ることだ。

手作業が終わると、ヘッドを再度デジタルスキャンしてマスター型を作成する。ゴルフ業界では決して一般的ではないプロセスだが、ミズノには欠かせない重要なステップだ。

最後に、「JPX921Tour」は「JPX919」と同じパールブラッシュ仕上げを採用している。


JPX921 スペックと価格

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「JPX 921Tour」は4番からGWまで。オリジナルシャフトはKBS「S Taper」。カタログに掲載されるシャフトの大部分には追加料金がかからない。オリジナルグリップは、Golf Pride「Z-Grip Full Cord」だ。

価格は、セットで 1,300ドル、または1本 162.50ドルだ。右利き用のみ。


ミズノ JPX921 FORGED

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ご想像のとおり、「JPX921Tour」と「JPX921 Forged」の改良にはいくつか重複する部分がある。ミズノは、Forgedモデルも再設計を施した。ただし、このモデルではMOIを増加させなかった。その代わりに、ヘッドをさらにコンパクトにしながら、MOIを維持することに成功した。

アイアンをブレンドさせるのが好きな私には、ヘッドサイズは重要だ。JPX919はもちろん大のお気に入りなのだが、私の目には「919 Forged」は「Tour」モデルと比べて少し大き過ぎた。「Forged」モデルは小さいほど、ForgedからTourへの流れがスムーズで自然になる。

ヘッドの縮小に伴い、トップラインが面取りされ薄いルックスになった。また、トレーリングリリーフがソールに追加されたことも改良のひとつだ。

これらの改良すべてが揃って、ミズノの言う“プレーヤーズシェープ”に近づき、より説得力を持たせる。

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1025Eではない素材

「JPX921 Forged」の残りのストーリーを見ると、ミズノが現状から大きな脱却を図ったことがうかがい知れる。

ミズノのファンなら、同社のフォージドに軟鉄1025Eカーボンスチールが使われることは周知の事実だ。ホーゼルに刻印するほど、ミズノの象徴だった。ミズノは時々ボロン鋼を素材に混ぜるが、それは1025Eに混ぜられたボロン鋼のことだ。

今回の「JPX921 Forged」の素材は異なるため、率直に言ってどのように機能するか少々心配だ。

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Forgedアイアンとは?

冶金について触れる前に、『フォージド(鍛造)』とは何を意味するのか、簡単な背景から説明しよう。簡潔に言うと、何も意味はない。

ゴルフ業界は「フォージド」という言葉を乱用しているので、ほら吹きとさえ思う。

キャストボディー、フォージドフェース。「Forged」というスタンプさえあれば、良いクラブだと思うゴルファーは沢山いる。

フォージドボディー、キャストフェース。これもまた「Forged」と呼ぶ。

フォームフォージド(キャストの後、プレスする)も、また「Forged」だ。

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ゴルフボールに「ソフトボール」という表現があるように、アイアン界では、「フォージド(鍛造)」はメーカーの宣伝文句のひとつになっているが、残念ながらほとんど意味のない言葉だ。

細かいポイントを見過ごせば、ほとんど全てのアイアンがフォージドである。

半分“偽物”のフォージドアイアンの共通点は(フォージドの定義がゆるいことを除き)、複数ピース構造や複合素材構造を用いて、フェースの薄肉化を目指すこと。これにより、スピードの向上が望めるからだ。

ミズノの場合、「Forged」と刻印するなら、ヘッド全体が鍛造であるべきだという信念がある。スピードの観点から1025Eでやれる事はやり尽くしたため、ミズノにとって難しい課題だった。「JPX919」がそのカテゴリーで最も短いアイアンの1つとなったのはそのためだ。

ロフトを立たせることが、解決の糸口だったと思うが、果たして39度のPWが求められるのか?その代わりとして、彼らは“材料”に注目した。





「JPX921」 -フォージドクロモリ

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2世代続いたHot Metalからの学びを生かして、ミズノは初めて、Forgedモデルに「クロモリ鋼」を用いた。「JPX921 Forged」に使用する特定のクロモリ合金(4120)は、独自の「Grain Flow Forging HD」プロセスにぴったり合う。

それは、複数の段階を踏むプロセスで、スチールの中の粒子を揃えるために伸ばす作業を行ってから、原料の鋼片を鍛造金型に入れて工業強度のハンマーでたたく。

素材は別として、クロモリ鋼の鍛造プロセスはミズノが他のアイアンで行うものとほぼ同じだ。唯一の注目すべき違いは、クロモリ鋼を鍛造するのに4回叩く必要があるが(または4つの別の金型)が必要なのに対し、1025Eでは3回行われる。

ここで強調すべき点は、単なる飛距離争いとは違い、「JPX921」は単一ピースで作られる本物の100%フォージドだということだ。


スピードのためのミーリング

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ヘッドの形成が終わると、背後から素地を削り、フェースのリバウンドエリアを作る。バックミーリングにより、フェースがたわむエリアができる。そこから『スピード』が生まれる。

ミズノによると、この方法でマルチピース(複合素材)構造を使わなくても、同じ機能を実現できるという。フェースの他のパーツとボディーを別々に溶接すると、良い打感が出せない。

7番アイアンで31度の「JPX921 Forged」は、このカテゴリーではまだウィークロフト。「JPX919」と比較しても、非常に薄く、様々な厚さで構成されるスピード重視フェース、大きなスイートエリアによって、「打感」を犠牲にすることなく、飛距離が出せるアイアンに仕上がったとミズノはいう。

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ミズノのようなフィーリングは他にはない?

私を含む多くのミズノファンが懸念することがある。クロモリ鋼は1025Eほどの軟らかい打感が出せないのではないかということだ。それが、最終的にコンボセットプレイヤーにとって何を意味するのか?

クラブエンジニアによると、「打感」は主にジオメトリ(配置)が影響し、素材や工法(鍛造や鋳造)はせいぜい二次的なものであると説明している。それでも、世間ではボロンが混ざったアイアンの打感はそれほど良くないと信じている。

「JPX921」の場合もそうだろうか?

ミズノから「JPX 921 Forged」は非常にミズノらしい打感のクラブだと言わんばかりのチャートが出ているが、最終的にはゴルファーが決定することだ。


ミズノ JPX921 FORGED スペックと価格

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シャフトは、ニッポン「Modus 120」の SフレックスとModus 105の Rフレックス。グリップは、Golf Pride 「MCC+4Grey」。価格はセットで1,400ドル、1本175ドル。右利きのみ。


ミズノ 「JPX921 SEL」(レフティー向け限定モデル)

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「MP-20」ラインと同様に、レフティー用にコンボセットが用意される。それは、レフティーが望むすべてを兼ね備えているわけではないが(彼らの望みは右利きと同じレベルのクラブ)、従来の「JPX」ラインよりも優れたオプションを提供するはずだ。

SELセットは、4番と5番は「JPX921Forged」、6番からギャップウェッジはTourモデルで構成される。 ミズノ,JPX921,アイアン,ゴルフ,クラブ

長さとロフトのギャップに注目しよう。各クラブのギャップは0.5インチと4度(ギャップウェッジまで)。右利きの人がコンボセットを欲しい場合は、「SEL」のスペックを注文することをお薦めする。


ミズノ 「JPX921 SEL」スペックと価格

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「JPX921 SEL」のシャフトはKBS「S Taper」。グリップは、Golf Pride「Z-Grip Full Cord」。価格はセットで1,325ドル、4番・5番が175ドル、6番からギャップウェッジは162.50ドル。左利き用のみ。


ミズノ 「JPX921 HOT METAL」 & 「HOT METAL PRO」

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最もシェアを占めるミズノモデル。ミズノはフォージドプレーヤーズアイアンで知られ愛されているにもかかわらず、キャストモデル(「JPX Hot Metal」と「JPX Hot metal Pro」)は、他のすべてのモデルを合わせたものより売り上げが大きい。これらを合わせると、アイアン市場の5%を占めることになる。

確かに、中級者向けはどれだけお金をかけるかで決まるが、それでもミズノにとっての大革新が「中級者向けキャストアイアン」であることには驚かされる。

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そう考えると、何も無駄にしないことが「921Hot Metal」の設計戦略だと考えるのは妥当だ。残るは「スピードの向上」だけだった。

それを可能にするために、ミズノは何をしたのか?予測した人もいるだろうが、「Stability Frame(スタビリティー・フレーム)」の再設計だ。

「JPX921 Hot Metal」は、一から作り直したものではない。そうではなくて、ミズノは最も人気のあった最初の2世代モデルからの学びを取り入れ、デザインを最適化するように努めたのだ。

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キャストクロモリ鋼

素材は従来と同じくクロモリ鋼4140Mを使用。「JPX Forged」に使用する素材に似ているが、鋳造金型にしっかり流れるように素材が異なる。

さらなるスピードを出するために、「Hot Metal」の「CORTECH」フェースに微調整を加え、より薄く、より速く、より安定性を求めた。薄いフェースは、シームレス(つなぎ目のない)フェースカップの改良と連動して機能し、より多くのたわみを作りだす。

「たわみ」とはほとんど「スピード」と同義語だ。

JPX921の開発を機に、ミズノはスイートスポットの配置を大幅に下げることに成功した。これにより、ストロングロフトが可能になった(全体で1度)。

ミズノに期待できるのは飛距離だけではない。打ち出し角、高さ、ランディング条件を犠牲にすることなく、飛距離を伸ばす。

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これらのウェイト配分変更の一環として、ミズノは「Hot Metal」と「Hot Metal Pro」のヘッドを平均して少し拡大し、ショートアイアンのブレードの長さを短くした。「JPX921 Forged」は前モデルよりも小さいため、モデル間の差別化が顕著になった。

「JPX921 Hot Metal」ブレードの長さは、「Mavrik」や「T300」「SIM Max」に似ている。「Hot Metal Pro」は、未だ最もコンパクトな中級向けアイアンのひとつに分類される

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サイズを改良した理由は、両アイアンのスイートエリアを「JPX919」よりも大きくしたため。「Hot Metal」アイアンのスウィートエリアや従来のMOI、重心の低深部配置によってもたらされる打ち出しは、ベスト中級者向けアイアンに匹敵するとミズノは謳う。

最後の改善点は、サウンドリブだ。これはやさしさを押し上げるウェイトに関係し、さらに打感も改善する。

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ミズノ JPX921 Hot Metal & Hot Metal Pro スペック

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JPX921Hot Metalのシャフトは、スチールの日本「NS Pro 950 NEO」とグラファイトのUST「Recoil ESX」。グリップはGolf Prideの「MCC + 4」。

価格は、1本あたり125ドル(8クラブセットの場合は1,000ドル)

右利き、左利き用が揃う。

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「Hot Metal Pro」のシャフトは、Project LZ Black。グリップは、Golf Pride「ST Hybrid」。

価格は、1本125ドル。


ミズノ 「JPX FLI-HI」 ユーティリティー

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JPX新作ラインナップを締めくくるのは、3代目「JPX Fli-Hi」ユーティリティーだ。「Precision Hybrid(プレシジョン・ユーティリティー)」として宣伝され、特に、ユーティリティーをアイアンの続きとして捉える人には使える1本だ。

最も目に見える変化は、急な形状変化が特徴的だったクラウンを取り除いたこと。それにより、フェース上でできることが制限されるため、ルックスが万人受けするとは限らないだろう。

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従来のクラウンデザインを活用することで、より薄い17-4スチールフェースを使うことが可能になった。これが、スピードストーリーの一部だ。さらに「飛距離」の部分は、世間のトレンドに追いつくために必須なストロングロフトによって実現した。

「JPX」アイアンと比較すると、「FLi-Hi」に配置された中心深部の重心と、かなりの後方ウェイトにより、多くのスピン量と、スティープでソフトなランディングアングル(降下角)を生み出しながら、簡単な打ち出しが可能になる。

だが、ユーティリティーの長さとロフト設計は、アイアンとは異なる(より長く、ウィークロフト)。少し違和感があるかもしれないが、飛距離はアイアンと同じ設計で、違いはどちらを選ぶかだ。


JPX FLI-HIその他2つの特徴

「JPX Fli-Hi」には、指摘すべきその他2つの特徴がある。まず、ベンダブル(曲げが可能)という点。アイアンのライ角に合わせて「Fli-Hi」モデルを調整することができる。アイアンが2度立っていたら、これは決して些細なことではない。

2つ目は、たった125ドルという価格。これは、Hot Metal アイアンと同じ価格で、ミズノ「CLK」モデルや他のユーティリティーの半額だ。その安さの目的は、多くのゴルファーに真にプレーに役立つクラブを手に入れてもらうこと。追加料金はない。

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スペック・価格・販売予定

2021年「JPX Fli-Hi」モデルは、4番(20度)、5番(22.5度)、6番(25度)、7番(29度)が揃う。価格は、前途のとおり 125ドルで、ミズノのアップグレードシャフトとグリップは含まれない。

右利きのみ。

ミズノ「JPX921」アイアン・ユーティリティーシリーズは8月31日から先行販売開始。公式には9月12日に販売される。