さっそく始めよう。
タイトリスト「AVX」は、低弾道、低スピン、ソフトな打感を備えたウレタンカバーのゴルフボールだ。
極めてシンプル、と言っていいだろう。
今回第4世代となった「AVX（元々はアメリカ南部で限定的に秋のリリースとして発売されたボール）」は忠実な支持者を獲得し、タイトリストのラインナップの定番となっている。
「Pro V1」とまではいかないものの、「AVX」が体現するテーマは発売当初からタイトリスト商品の中で素晴らしいニッチを切り開いてきた。
2024年タイトリスト「AVX」 – 最新情報
今年のゴルフボールのテーマに則して、2024年のタイトリスト「AVX」は、ボールのあらゆる側面における性能を向上させるためにカバーからコアに至るまで改良されている。
改良点には以下が含まれる。
・ロングゲームにおけるスピン量の低減
・すべてのショットでの飛距離増
・グリーン周りでのスピン性能とコントロール性能の向上
・よりソフトな打感
言うなればこれがメリット。では、進化した「AVX」の背後にある仕組みを詳しく見てみよう。
ハイグラディエント・ハイスピードコア
飛距離の向上はさまざまな要因の組み合わせによってもたらされるが、まず特筆すべきは「AVX」の新しい『ハイグラディエント・ハイスピードコア設計』によって実現された初速アップである。
『ハイグラディエント・ハイスピードコア』については以前にも触れたが、これは「中身がとろけるチョコレートケーキ」の仕組みをゴルフボールの中心部に適用したものだ。『ハイグラディエント・ハイスピードコア』は内側が柔らかく、外側に行くにつれて徐々に硬くなる。
タイトリストは「AVX」でも現行の「Pro V1」と同様、『ハイグラディエントコア』の度合いを拡張することでよりソフトな打感とさらなる初速をもたらしているのだ。
ハイフレックス・ケーシングレイヤー（柔軟性の高い高速ケース層）
ロングゲームにおけるスピン量の低減は、『ハイフレックス・ケーシングレイヤー』によってもたらされる。
これは「Pro V1xレフトダッシュ」と同じ設計アプローチだが、最終的には『ケーシングレイヤー（別名マントル）』がスピン量を低減し、ロングゲームでの飛距離を伸ばすよう機能する。ティーショットだけでなく、ロングアイアンやハイブリッドでもその違いに気づくはずだ。向上したディンプルデザイン
『ハイグラディエント・ハイスピードコア』と『ハイフレックス・ケーシングレイヤー』の両方が、新たな『346カテナリーディンプルデザイン』と組み合わさることで、タイトリストが言うところの、刺さるような強い弾道を生み出す。
ゴルフボールにおける性能のあらゆる側面を最適化するためのタイトリストの戦略の一環として、ディンプルデザインは「AVX」独自となっている。
よりソフトで厚くなったカバー
より厚くよりソフトなウレタンカバーにより、ソフトな打感とグリーン周りでのスピン性能が向上した。これがどのように機能するかをもう一度説明すると、スピンは柔らかいレイヤー（層）が硬いレイヤー（層）に挟まれることによって発生するもので、これは、硬い『ハイフレックス・ケーシングレイヤー』と新たな「AVX」の柔らかいカバーを組み合わせたことでもたらされた。
注目すべき変更点のひとつは、前世代では「キャストウレタン」を利用していたのに対し、新しい「AVX」では「TPU カバー」が採用されていることだ。ゴルファーがその違いにどの程度気づくか、あるいは気にするのかどうか知りたいところだ。
2024年タイトリスト「AVX」- 設計による違い
「AVX」の“本質”とでも呼ぶべきものをどうナビゲートするかはタイトリストにとって厄介な命題だ。アップデートにより、グリーン周りのスピンに関してはほぼ「Pro V1」の範疇に入ってきたが、スピンがかかるに越したことはないと思うのが人の常。
もちろんタイトリストにはそれが可能だが、おそらく硬くして弾道を変える必要があり、そうすると「AVX」を…言わば…AVXたらしめる魔法はいつの間にか消えてしまうだろう。
「Pro V1」（および他のラインナップ）との差別化は、「AVX」も「Pro V1x」や「レフトダッシュ」と同じく、「デザイン」によるものだ。
（補足：どのボールが自分に合っているのかわからない場合は、オンラインフィッティングツールでタイトリストが正しい方向に導いてくれる）
重要なのは、より硬い打感、より高い弾道またはより多いスピン量を望む場合、それがどんな組み合わせ（デザイン）であっても、タイトリストはすでにそのためのボールを持っているということ。「AVX」には、タイトリストの他のウレタン製品との明らかな差別化を保つことが求められる。
「AVX」の位置づけに不思議な点がないわけではない。
「AVX」は「Pro V1s」と呼ばれるべきだったのかもしれない。今回異なるのは、タイトリストのアイオノマー製品と並行して「ボール工場2」で生産されているということだ。カバーはキャストウレタンから「TPU（射出成形熱可塑性ウレタン）」になった。ウレタンカバーも含めて3層構造であることに変わりはない。
「Pro V1s」にならなかったということは、おそらくこれを使用するツアープレーヤーが少ないことに起因するのかもしれない。「AVX」はその点で異なるが、これが財布にやさしい理由の説明になるかもしれない。
2024 年の「AVX」のリリースに伴い、タイトリストは小売価格を49.99ドルに引き下げた。これは「Pro V1」シリーズの価格に比べて5ドル、市場の競合ボールに比べても安い。
2024年タイトリスト「AVX」- カラーラインナップと発売日
＜日本発売モデル＞
タイトリスト「AVX」ゴルフボールは、「ホワイト」と「イエロー」の2色展開。
価格は¥6,930（税込）で発売日は2024年3月2日となっている。
※下記はアメリカ版
新しいタイトリスト「AVX」ゴルフボールは、ホワイトとハイオプティックイエローの2色展開。小売販売は1月24日から開始される。
編集者注 – 記事初出時、「AVX」はキャストウレタンカバーを採用し、「ボール工場3」で生産されていると記載されていた。本記事では、新しい「AVX」は「TPU」カバーを採用、現在は「ボール工場2」で生産されていることを反映するように訂正されている。
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