「AIなんてただの宣伝文句だろう」と思っている人でも、新しいキャロウェイ「ELYTE」アイアンを手にすればその疑念が少しは和らぐかもしれない。

キャロウェイはゴルフ業界のAIデザイン先導者としての地位を築いてきた。他の大手メーカーもAI技術を取り入れてはいるが、新しい「ELYTE」アイアンは、AIがもたらす設計の価値を非常にシンプルかつ分かりやすく表現したモデルだ。

キャロウェイ「ELYTE」アイアンに興味を持つゴルファーも多いだろう。そこで、よく寄せられる5つの質問とその答えをまとめた。これを参考にすれば、2025年の「絶対試打したいリスト」に加えるべきかどうかが決まるはず。


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疑問1:キャロウェイ「ELYTE」アイアンは何モデルあるの?

キャロウェイ「ELYTE」アイアンは4モデルを展開している。

ゴルファーには実に多様なタイプがいる。楽しむことを目的とした人、初心者、スコアアップに情熱を注ぐ人、さらには年齢や体格、運動能力もさまざまだ。

つまり、ゴルフにおいて「一つのサイズですべてに対応=フリーサイズ」という考え方は通用しない。ここが難しところ。

実際キャロウェイのシニアプロダクトマネージャー、ザック・オークリー氏も「1、2種類のヘッドだけですべてのゴルファーに最適な解決策を提供するのは難しい」と語っている。

さらに、「製品ラインナップを絞り込んで全ゴルファーに合うアイアンを作れたら理想的だけど、それは現実的ではない」。


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ゴルファーが抱える課題はさまざまだが、その解決策のひとつが「適切な道具」を使うことだ。

そして、その道具がリアルなデータに基づいて設計され、ゴルファー一人ひとりのプレーにフィットするなら、「飛距離の向上」や「安定性の向上」、「ミスの軽減」といった具体的なメリットが期待できる。

それを可能にしているのが「AI」だ。

キャロウェイが提供する「ELYTE」アイアンは、AIを活用することでゴルファーの多様なニーズに応える設計を実現している。

特に、このシリーズの4モデルは、それぞれ異なる特徴を持つことで、ゴルファーが「自分に合う道具」を見つけるための新たな選択肢を広げていると言えるだろう。


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疑問2:「AI」の何が特別だったのか?

キャロウェイはゴルフ業界におけるAIデザインのリーダーとしての地位を確立している。

その妥当性はさておき、キャロウェイのスーパーコンピューターには約10年分のデータが蓄積されており、入力データが多いほど、最終的なデザインはより洗練されたものとなる。

今回のデザインは、大きく分けて2つのカテゴリーに分かれている。1つは、スコア改善型(初・中級者)で大多数のゴルファーに向けたアイアン。

もう1つは、特定のニーズに応えるモデルで一見するとニッチなターゲット向けに思えるが、その需要は十分な規模を持っている。

新しい「ELYTE」と「ELYTE X」は、こうした主要ターゲットを狙ったモデルだ。「ELYTE」はキャロウェイの次世代スタンダードとして位置付けられるスコア改善型(初・中級者向け)アイアン。

一方、「ELYTE X」は新たにラインナップに加わった超スコア改善型(初級者向け)モデル。「ELYTE X」は「ELYTE」よりヘッドが大きく、オフセットも強めに設定されている。また、ワイドソールと厚めのトップラインを採用しており、より高い寛容性を実現している。


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両モデルとも、キャロウェイの新しい『Ai10xフェース』を搭載している。このフェースは『可変厚設計』で、2024年の『Aiスマートフェース』と比べて10倍の「コントロールポイント」を備えている。

キャロウェイによると、これによりフェース全体でのボール初速向上し、最適な打ち出し条件が得られるという。

一方、「ELYTE HL」と「ELYTE MAX FAST」は、AIのメリットを最大限注入したモデルだ。どちらも「遅め」のヘッドスピードのプレーヤーをターゲットにしており、キャロウェイの設計目標は、単なるボール初速からは少し異なる方向にシフトしている。

「以前は、これらのクラブをヘッドスピード約47m/sで耐久テストをしていた」と語るのはキャロウェイのクラブR&Dバイスプレジデントのブライアン・ウィリアムズ氏。「でも、それがヘッドスピード約29m/sの人にとって、何の意味があるのか?と。要りもしない品質基準を追い求めることで、そうしたゴルファー向けのフェースのたわみ性能を犠牲にしていたんだ」。


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その代わりに、「ELYTE HL」と「ELYTE MAX FAST」では、ヘッドスピード約29~31m/sのゴルファー向けに最適化された『Ai10xフェース』搭載されている。

「これにより、ヘッドスピードが遅いゴルファーにとってより優れた製品を生み出すことができた」とウィリアムズ氏。「もし約47m/sのヘッドスピードで振って壊れてしまうかもしれないが、。高ヘッドスピードのゴルファーはそもそも『HL』や『MAX FAST』を選ばないだろう。」


疑問3:スコア改善型(初・中級者向け)アイアンは“カチッ”とした打感になりがち。今回のモデルはどうなのか?

キャロウェイによると、答えは「イエス」だ。

最終的な評価基準は性能かもしれないが、各メーカーは「打音」と「打感」がゴルファーの心をつかむ鍵になることは理解している。「鍛造の打感」という言葉はよく使われるが、ここには2つの重要な真理が存在している。

1つ目は、設計を誤れば鍛造アイアンであっても打感が悪くなってしまうこと。

そして2つ目は、正しく設計すれば「鋳造」のスコア改善型(初・中級者向け)アイアンでも、驚くほど心地よい打感を実現できるということだ。


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その点で、キャロウェイの「ELYTE」アイアンは「鋳造」のスコア改善型(初・中級者向け)アイアンとしてしっかりと作られている。キャロウェイを誉めておくと、テストにおいて「ELYTE」シリーズの「打音」と「打感」は非常に心地良いと言える。

そして、その鍵となるのがキャロウェイの新しい『スピードフレーム』だ。

「トップラインを強化することで、フェースがたわむ際に非常に安定したフレームを提供できる」とウィリアムズ氏。「また、トップラインから発生する振動を抑える効果もある」。


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また、改良された『スピードフレーム』により、キャロウェイ独自の「ウレタン・マイクロスフィア」を従来と比較し20%多く注入することが可能となり、振動をより効果的に抑えられるようになった。

「“カチカチ”した打音が完全になくなった」とウィリアムズ氏。

そしてオークリー氏は「スコア改善型(初・中級者向け)の鋳造アイアンのような打感じゃない」とコメント。「まるで高級なパフォーマンスアイアンのような打感だ」。


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疑問4:昨年モデルより本当に進化してるの?

ごもっともな質問。答えは不満かも知れないけど、以下の通りだ。

「YES」でもあり、「NO」でもある。

どのクラブリリースにも可能性は3つに限られる。旧モデルより「良くなる」、「悪くなる」、もしくは「同じ」かだ。もし4つ目の可能性があるなら、ぜひ教えて欲しい。


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「2024年は、アイアンにAIを活用する上で多くの発見があった年だった」とウィリアムズ氏。「現在は、プレーヤーのスイング特性や傾向をグループ分けして分析することで、それぞれのゴルファーに最適な設計を導き出している。2025年は、単にボール初速を追求するのではなく、一貫性や再現性を重視する段階にある。具体的には、打ち出し角やスピン量をさらに微調整できるようになっている」。

2024年モデルのスタンダードな「Ai Smoke」アイアンを使用しているなら、新しい「ELYTE」アイアンの性能はわずかに感じられる程度かもしれない。しかし、もし「ELYTE HL」が自分に合うモデルであれば、その効果に驚かされる可能性が高い。

「『ELYTE HL』を必要とするプレーヤーにとって、高い打ち出し角とスピン量が重要となる。そのため、このフェースはボールをより高く打ち上げ、空中にしっかりと安定させるよう調整されている」とオークリー氏。


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AIはその仕組みが目に見えないため、軽く見られがちだ。AIによる“魔法のような処理”はフェース裏側で行われているが、それだけで完璧なボールストライカーになれるわけじゃない。スライスやフック、トップやダフリといったミスショットは依然として起こり得る。

しかし、AIはスイングのミスを完全に帳消しにすることはできなくても、そのミスを“致命的”ではなく“軽微なもの”に変える力を持っている。たとえば、ミスヒットが、林の中ではなくラフで止まることもあるだろうし、予想以上に飛ぶ可能性だってあるだろう。


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疑問5:このアイアンってまだお高いんですよね?

これは、みなさんの生活感覚における「高額」の定義による。


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価格に対する不満は、いつの時代も尽きることがないものだ。おそらくヴィクトリア女王が統治していた頃にオールド・トム・モリスがクリークと5番アイアンにつけていた価格に文句を言っていた人がセントアンドリュースにもいたはずだ。

2025年の価格の動向を考えると、キャロウェイの「ELYTE」アイアンはトレンドに逆行しているかも知れない。スチールシャフトが1本150ドル、6本セットで900ドルだという価格設定は、2025年主力モデルの価格としては相対的には高くはないだろう。

ちなみに、この「6」という数字には理由がある。キャロウェイ曰く、この数字はここ数年におけるスコア改善型(初・中級者向け)アイアンのセット平均本数とのこと。

「APEX」シリーズは平均7本に近い構成だが、スコア改善型(初・中級者向け)は一般的に5番からPWまでのセットが主流だ。北米市場のスコア改善型(初・中級者向け)で4番アイアンを見ることは、北米でいすゞの車を見るくらい珍しい。


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キャロウェイ「ELYTE」アイアンのスペック・価格・発売時期

・『ELYTE』と『ELYTE X』アイアン:スペック

シャフト:「VENTUS GREEN 50 for Callaway (R)」、「N.S. PRO 950GH neo (S)」、「N.S. PRO 750GH neo (S)」

グリップ:「GP CLUBMAKER BLK/GRN/SLV」 バックライン有り

5本セット(I#6-9,PW)¥148,500(税込)、単品(#5、AW、GW、 SW)1本¥29,700(税込)


・『ELYTE MAX FAST』 アイアン:スペック

シャフト:「LIN-Q GREEN 40 for Callaway (R)」、「N.S. PRO 850GH neo (S)」、「N.S. PRO ZELOS 7 (S)」

グリップ:GP CLUBMAKER BLK/GRN/SLV」 バックライン有り

5本セット(I#6-9,PW)¥148,500(税込)、単品(#5、AW、GW、SW)1本¥29,700(税込)

2025年2月28日発売予定。


※下記記事内のスペックはUS仕様となる。

スタンダードモデルのキャロウェイ「ELYTE」は、フェースをしっかり生かせるヘッドスピードのゴルファー向け。ボールを上げることに苦労していないものの、さらなる飛距離とバラツキを抑えたいプレーヤーに最適だ。

純正スチールシャフトはトゥルーテンパー「Vector」でカーボンシャフトは「Project X Denali Charcoal」。グリップはラムキン「Crossline」が装着されている。

「ELYTE X」は、スタンダードの「ELYTE」の超スコア改善型(初・中級者向け)モデル。

ロフト角はやや立っており(7番アイアンで28度、スタンダードは29度)、標準シャフトとグリップはスタンダードの「ELYTE」と同じものが採用されている。


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「ELYTE HL」の“HL”はHigh Launch(高打ち出し)のこと。このモデルはヘッドスピードが遅めでボールを上げるのに苦労するゴルファー向けに設計されている。

セット全体のロフト角はスタンダードモデルよりウィークで、AIにより最適化されたフェースが高打ち出しと高スピンを実現する。純正のスチールシャフトはKBS「MAX 80」でカーボンシャフトは「Denali Charcoal」。純正グリップはラムキン「Crossline」だ。

また「ELYTE HL」はレディースモデルもラインナップしており、シャフトは三菱ケミカル「Eldio」、グリップはラムキン「ST Soft」が装着されている。


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一方、「ELYTE MAX FAST」は超軽量設計で、さらにヘッドスピードが遅いゴルファー向けに最適化されている。

ロフト構成は「HL」と同じだが、スチールシャフトはラインナップしておらず、純正カーボンシャフトは、メンズモデルが40gの三菱ケミカル「Vanquish PL」でレディースモデルが「Eldio」。純正グリップはWinnの「Dri-Tac 2.0」だ。

お伝えしているように「ELYTE」シリーズの価格は、スチールシャフト6本セットが899.99ドル(1本150ドル)でカーボンシャフト6本セットが999ドル(1本167ドル)。全モデルで右利き用と左利き用がラインナップしている。


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先行販売は1月17日からで店頭発売は2月7日から。

詳細はキャロウェイのホームページまで。

昨年モデルもお忘れなく!

新作「ELYTE」シリーズのリリースにより「パラダイム Ai Smoke」アイアンがかなり割引されている。