8つの新しいドライバーがUSGA適合リストに掲載され、いよいよローンチシーズンが幕を開けた。
両ブランドとも、来年1月に4モデル体制でラインアップを揃えてくる見込みで、その構成は2025年モデルの流れをしっかり受け継いでいる。とはいえ、現時点で公開されているのは最低限のスペック情報と、ソールの画像だけ。そこから読み取れる内容は多くないが、形状の変化やモデル名から推測できる点はいくつかある。
いま得られる断片的な情報をつなぎ合わせ、現時点で考えられる方向性を探っていきたい。
では、新作ドライバーの“予告編”をのぞいてみよう。キャロウェイに“QUANTUM（クアンタム）級”の飛躍はあるのか？
キャロウェイが新シリーズ「QUANTUM（クアンタム）」で狙っているのは、おそらく“次のステージへの伸びしろ”だ。
「ELYTE（エリート）」からどこまで進化したのかはまだ語れないものの、新たに投入される4モデルが単なる延長線上ではないことは明らかだ。その中でも最も注目すべきは「QUANTUM ♦♦♦（クアンタム トリプルダイヤモンド）」。MyGolfSpyの『2025年ベストドライバー』を獲得した「ELYTE ♦♦♦（エリート トリプルダイヤモンド）」の流れを継ぐ1本と考えていい。
特に目を引くのは、ヘッド後方に配置された『可変ウエイト』で、『Fade』『Neutral』と刻まれた2つのポジションが、競技志向（上級者）のゴルファーが求める繊細な弾道調整に応えている。
前作のDNAに、さらにコントロール性能の“余白”を与えた──そんな進化の方向性が見える設計だ。
「QUANTUM ♦♦♦ MAX （クアンタム トリプルダイヤモンド MAX）」は見た目こそ兄弟モデルと近いが、「MAX」の名が示すとおり“より高い寛容性”を軸にした仕様だ。
ヘッド形状から判断すると、重心はさらに低く、後方へ深く配置されており、ミスヒットに強い挙動が想像できる。シリーズで最もやさしさを重視したモデルと見られるのが「QUANTUM MAX D（クアンタム MAX D）」。明確なドローバイアス設計で、捕まりを求めるゴルファー向けの1本だ。
そして興味深いのが「QUANTUM ♦♦♦（クアンタム トリプルダイヤモンド）」。左利き専用としてリストに掲載されており、これは「ELYTE ♦♦♦（エリート トリプルダイヤモンド）」系の「トリプルダイヤモンド（低スピン・操作性重視モデル）」と同じく、2つ目の“♦♦♦”がおそらく『Tour Draw（つかまりを少しプラスしたドローバイアス設計）』を意味していると推測される。
競技向けの挙動に“つかまり”を適度に足したい──そんなプレーヤーのニーズに応えるための派生モデルと考えていいだろう。
2025年シーズンの途中、キャロウェイは「ELYTE（エリート）」シリーズを次々と拡張していったが、発売時点でのラインアップはシンプルだった。
標準の「ELYTE（エリート）」、「寛容性」を高めた「ELYTE X（エリート X）」、軽量でヘッドスピードを補助する「ELYTE MAX FAST（エリート マックス ファスト）」、そして競技志向の象徴「ELYTE ♦♦♦（エリート トリプルダイヤモンド）」の4本だ。
中でも「ELYTE ♦♦♦（エリート トリプルダイヤモンド）」は、ツアー寄りの性格を持ちながら一般ゴルファーにも扱いやすく、“人気”と“実戦性”が両立した稀有なモデルだった。
その成功を踏まえると、新作「QUANTUM ♦♦♦（クアンタム トリプルダイヤモンド）」が2026年のキャロウェイにおける“中心的ポジション”を担う可能性は高い。
残りのモデルは、「寛容性」・「軽量性」・「バイアス設計」など、目的別にしっかり役割が分かれるはずだ。
コブラゴルフ、新たな領域「OPTM」へ踏み込む
ゴルフ業界では相変わらず母音が軽視されがちだが、「OPTM」という名称はおそらく “Optimum（オプティマム）” を省略したものだろう。
コブラゴルフ（COBRA） が見せる今回のウエイト設計を読み解くかぎり、その解釈はほぼ間違いない。適合リストには、新たに「OPTM」シリーズが4モデル並んでいる。中でも注目は「OPTM LS（オプティマム LS）」で、これは名前のとおり “Low Spin” を意識した設計だ。
ソールには2つのウエイトポートがあり、トウ寄りには『Fade（フェード）』、やや後方には『Accuracy（正確性）』の刻印。そして画像では見えないものの、ヘッド後方には『Forgiveness（寛容性）』と示された3つ目のウエイトポートが配置されている。コブラゴルフが今回のシリーズに込めた意図は明確だ――
「弾道調整」、「方向性」、そして「寛容性」。この3つをユーザーが自在に選び取れるドライバー に仕上げようとしている。
昨年は“33段階調整”という『ホーゼルアダプター』で話題をさらったメーカーだけあって、今回のウエイトシステムもまた、フィッティングの自由度を一段引き上げる仕掛けになっている。
ラインナップの中で、もっともやさしさを追求したのが「OPTM Max-D（オプティム Max-D）」。強めのドローバイアスと最大級の寛容性を備え、スライスに悩むゴルファーにしっかり寄り添う設計だ。
一方、「OPTM Max-K（オプティム Max-K）」は、その名称からして「10K」クラスの高MOI（慣性モーメント）モデルと考えるのが自然だろう。「直進性」と「安定性」を最優先するタイプのゴルファー向けだ。
さらに「OPTM X（オプティム X）」は2つのウエイトポートを備え、トウ側には『Accuracy（正確性）』、後方には『Forgiveness（寛容性）』と刻まれている。この配置を見る限り、操作性とミスへの強さを両立させる“中間の選択肢”といえる。
── 続報を待つしかない
現時点で公開されている情報は、このあたりが限界だ。ローンチシーズンが本格的に動き出すのは来月頭。
例年どおりなら、最初に仕掛けてくるのはキャロウェイとテーラーメイドで、1月第1週には新作ドライバーが姿を見せるはずだ。その後、他メーカーが一斉に参戦してくる流れになる。コブラゴルフは昨年、「DS-ADAPT」シリーズを12月上旬にフライング気味で投入した前例があるが、今年は1月中旬のタイミングで登場するだろうと予想している。
価格の情報はまだ出ていないが、600ドル超えが“新しい当たり前”になることはほぼ確実だ。
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