ピン「G425」アイアンの主な注目点

・ピンの最新「Gシリーズ」中級者向けアイアンは、「G410」よりもコンパクトな見た目

・ボールスピードアップのためメタルウッドスタイルの「新バリアブル・フェースシックネス・テクノロジー」を採用

・「G425」アイアンは高MOIと若干のドローバイアスが特徴

・スチールシャフトは137.5ドル(1本)、カーボンシャフトは150ドル(1本)

・発売日は2月4日。(アメリカ)※日本では既に発売されている

※当記事はアメリカ版「MyGolfSpy」を日本語に翻訳している記事である。

アメリカはコロナの影響によりピン「G425」アイアンの発売が大幅に遅れた。その為、発売時期が日本と異なることをご了承いただきたい。


アイアンというものは“空港”みたいなもので、実際のところ最終形がない。つねに変化し改良され、あるいはカッコいい見た目にしようという努力が続けられる。

例えばピンの「G425」アイアンは、今では発売から2年が経った「G410」アイアンのフルモデルチェンジというわけではないが、アップグレード版としては十分な微調整、十分なドレスアップ、そして十分な差別化が達成されている。

直近2年におけるMyGolfSpyの「Most Wanted」中級者向けアイアンランクにおいて、「G410」のパフォーマンスは全体的にボチボチといったところ。欠けていた「ボールスピード」「キャリー」「正確性」を、「寛容性」「打ち出し角」そして中級者向けアイアンの多くで過小評価している「落下角」で補っている状態だった。

ピンのアイアンリリースサイクルは通常18ヶ月だが、「G410」は新型コロナウイルスのおかげで半年間余計にスポットライトを浴びることになった。

ではピンのニュー「G425」アイアンには、そこまで待つことに価値があるほどの改良が施されているのだろうか?さっそくチェックしてみよう。


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ピン「G425」アイアン – ロフトを立てずに飛ばす -

「中級者向けアイアン部門」は、一筋縄ではいかない。飛べば気分も上がるし、飛距離は試打においてゴルファーを納得させる一番の指標になる。

しかし、「一貫性(あるいは寛容性)」「操作性」、そして十分な「落下角」がない飛びは、必ずしもプレーヤーを上達させたり、楽しませることに役立つ訳じゃないのだ。

「上達」と「楽しみ」は、言うまでもなくピンの専売特許。

お伝えしたように、ピンの「G410」アイアンは、発売されてから2年間の「Most Wanted」テストで大成功を収めたわけじゃない。

実際、2020年の結果はご覧いただければお分かりの通りボチボチといったところで、ボールスピードでは良い部類だったが、キャリーは振るわなかった。

その要因はスペックを見れば明らかで、「G410」のロフト角は、飛距離部門で上位だったものに比べて3度以上も寝ているからだ。


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今回のピン「G425」アイアンは、ストロングロフトにせず、また操作性を失うことなく、飛距離アップすることを目指しているようだ。

「(G425は)飛距離アップと寛容性を備えている」と語るのはピンの工学技術ディレクターのライアン・ストック氏。「デザインをチェックすると、我々がどのようにパフォーマンスを向上させているのか?寛容性をアップさせているのか?どうやって打ち出しを高くし、落下角を増やしているのか?がわかるだろう」。

総合力アップかって?その通り。ピンはいつだって、“新作が少しでも前作を上回るよう”に努めているし、そうなっている時が多い。ピンの「G425」は、ほんの少しの飛距離アップとともに、「一貫性」「見た目」「操作性」を売りにしているのだ。



「コア・アイ」よ、さようなら

ピンの「コア・アイ」は、2015年に「G-Max」アイアンがデビューして以来、同社独自の「フェースをたわませる主要テクノロジー」だったが、今回、飛距離を数ヤード伸ばすため、このテクノロジーに“さよなら”を告げた。


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「ウッドスタイルのVFT(バリアブル・フェースシックネス)を採用している」と言うのは同社工学技術VPのポール・ウッド氏。「『コア・アイ』と全く違うということはない。フェースをたわませて、そのたわみでスピードアップさせたいのだから」。

目的は、フェースの中心を安定させながらも「フェース全体を同時にたわませる」ことにある。

ピンの名誉のために言っておくと、これは、弾道と飛距離が向上するとかいう類の話ではなく、ボールスピードを少しでもアップさせるための改良だ。さらに「コア・アイ」をやめることで、「G425」のキャビティバッジにより音とフィーリングを改善することもできるのだ。

ウッド氏によれば、「我々のシミュレーションでは、「コア・アイ」よりもボールスピードがわずかながらアップしている」とのこと。「副次的なメリットとして、バッジと組み合わせることができる。バッジで全体をカバーすることで、よりソリッドで落ち着いたフィーリングが得られ、同時にボールスピードも若干アップする」という。

今回のバッジは、アルミニウムとポリマーをミックスした複合素材だ。バッジで使う素材が多ければ、それだけ振動は抑制される。そして、ピンによると過去の「Gシリーズ」アイアンよりも、断然見た目が良くなっているとのことだ。

フェース自体は、ピン独自の「ハイパー17-4ステンレススチール」を採用した。「ハイパー17-4」は、耐久性に必要な強度とボールスピードアップに役立つ十分な柔軟性を持ち合わせた素材。

ピンでは、「G425」のためにこの「ハイパー17-4」を材料化学と熱処理を加えることで強度を10%向上させ、さらに洗練されたものにした。強度が上がれば上がるほど薄くでき、薄ければ薄いほど柔軟性も出るというわけだ。


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寛容性と重量配分

ピンは、「G410」において工学技術で活路を見出していた。このモデルは、その前の「G400」よりも明らかにオフセットが小さくてソールが薄く、さらにブレードの長さも短かった。にも関わらず、「G410」は「G400」よりもMOIが8%も高かったのだ。

今回の「G425」アイアンはそのさらに一歩先を行っており、形状がよりコンパクトで見た目も小さくなっているが、MOIは「G410」よりも3%アップしている。

「もう少し小さく見えるようにしたかった」と言うのはウッド氏。「慣性モーメントを改善する一方、ボールを当てられる部分を『G410』と同じにしているが、フェースの中心からシャフト軸までの長さは若干短くしている」。


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ピンは「G410」において、トゥ部分の高密度の「スクリュー」と「ホーゼル」底部の「チップウェイト」という究極の重量配分によりMOIアップを成し遂げてきた。

「G425」でも同様だが、そこにはもう一つのメリットがある。究極の重量配分にすることで、「新VFTフェース」を搭載できフェースの薄い部分が大きくなり、「たわみも大きくする」ことが可能になっている。


「ホーゼル-X」

ピンの工学技術の話になると、いつも新しい単語が出てくる。今年は「ホーゼル-X」だ。なんだか漫画の悪役のような名前だが、「ホーゼル-X」は「シャフトがヘッドと繋がっている点と重心との間の長さ」を指す。

ではなぜ「ホーゼル-X」が重要なのか?もし全ての重量がトゥ側にあると(「ホーゼル-X」の数値が大きい)、インパクトでクラブをスクエアに戻すために、バックスイングでクラブをオープンにするために、トルクをかける必要が出てくる。

「シャフトと重心までの距離が遠くなると、スクエアにすることが難しくなる」とウッド氏。「ものすごくというわけではないが、それなりにね」。


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考えてみると、ちょっとおかしくないだろうか。上級者向けの小ぶりなアイアンは、「ホーゼル-X」で考えると実際はスクエアに戻すことが簡単と言える。

ところが、上級者は「左へ」のミスを嫌う。中級者向けや初級者向けのアイアンはヘッドが大きく、スクエアにすることが難しいはずだが、一方で中級者や初級者は「右へ」のミスを改善しようとしているのだ。

「魔法が使えれば、逆にしたいところだろう。でも、それが物理というものだ」とウッド氏は話す。

ピン「G425」のフェースは「G410」のそれとほぼ同じだが、「ホーゼル-X」は小さくなっている。

「わずかに小ぶりにしたので、重心がちょっとだけホーゼル寄りになっている」とウッド氏は説明。そして「こうすることで、フェースをターンさせることが簡単になっており、慣性モーメントをいじることなく、よりニュートラルか若干のドローバイアスにすることができた」という。


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ピンによれば、「ホーゼル-X」を小さくしても、重心はクラブフェースの中心からそこまで移動しないとのこと。そしてウッド氏も、ライ角をフィッティングする方が潜在的な問題を解決すると話している。


前作より易しい

ピンは、自分たちの「Gシリーズ」を「ゴルフが改善する」アイアンというより、「ゴルフが楽しめる」アイアンと言われることを好んでいる。そして、「寛容性」を名誉の証として考えているのだ。

「競合の初級者向けアイアンをチェックすると、我々の中級者向けアイアンのMOIの方が大きいことが多い」とウッド氏。「そして、我々の上級者向けアイアンである『i210シリーズ』も、MOIという点で他社の中級者向けアイアンの多くと引けを取らない」とも話している。


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我々はいつだって、あらゆるメーカーの内部テストに対しては懐疑的だが、今回ピンは興味深い結果を共有してくれた。7番アイアンで150~155ヤードという飛距離のハンディキャップが中程度のゴルファーによる「G425」と「G410」のテストでは、「G425」アイアンの方が飛んだとのこと(ウッド氏によれば「その差は大きくはない」ようだ)。

大切なことは、やや左に飛んでいただけでなく、全体のショットエリアで“大きな改善”が見られたとのことで、特に「長い番手での左へのミス」と「短い番手での右へのミス」が減ったという。

ウッド氏によれば、「今回のテストは20名で実施した」とのこと。そして「ストロークス・ゲインド分析によれば、75%のテスターが『G410』よりも『G425』の方がストロークス・ゲインドの結果が良かった。どんなアイアンでも100%のゴルファーがそうなることはないが、75%というのは非常に良い結果と言えるはずだ」と話してくれた。

そして、ピン「G425」のセットウェッジは全て機械加工の「フェース」と「溝」が採用されていることも、注目すべきその他の特徴だ。

一般的にどのアイアン分野においても、セットにマッチするウェッジはゴルファーが求める必須の「ウェッジっぽさ」がない。しかし、「G425」ウェッジ(PWからLW)は同社の「Glide 3.0」ウェッジと「同じフェースと溝」になっているのだ。

「我々がフォーカスしているのは、ゴルファーが望んでいるもの以上に、彼らが何をしようとしているのかということ」とウッド氏。「常に、既にあるテクノロジーと知見でクラブ作りをすることに重点を置いている」。


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スペック・価格・発売時期

ピン「G425」アイアンのロフト設定は、「G410」のそれから実質的に変わっていない。7番アイアンで30度が基本になっており、ピンによれば「G410」からの飛距離アップはごくわずかとなっている。

もし飛距離アップを望むのなら、「G425」は、番手によって0.5度から2.5度までストロングロフトにする設定も可能。そしてさらなる飛距離増を希望する場合は、ピン「G700」アイアンが選択肢となるだろう。

ピン「G425」アイアンは、これまでの「Gシリーズ」同様、ピン独自の「AWT 2.0(スチール)」と「新Alta CB Slate(カーボン)」がメインのシャフトとなる。「AWT」は「Ascending Weight Technology(段階的ウェイトテクノロジー)」の略。つまり、アイアンの番手が「短くなるにつれ」シャフトが「重くなる」ということ。

ロングアイアンに「軽量シャフト」が装着されていると、ボールを「上げることが易しくなり」、ショートアイアンで「重めのシャフト」がついていると「コントロールが簡単になる」というわけだ。


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一方、ピンによれば、「AltaCB Slate」は「AltaCB Red」をやや進化させたシャフトとのこと。多くの純正カーボンシャフトのように、軽量で高打ち出しが可能で、「AWT 2.0」よりも若干ソフトなフィーリングが得られるという。

オプションシャフトは、日本シャフトの「N.S. ProModus3 105」、トゥルー・テンパーの「Elevate 95」他、「KBSTour」、「ダイナミックゴールド」、「DG 105」、「DG 120」、「Project X LZ」を含め追加料金はかからない。

またピンでは引き続き「ARCCOS」と提携しており、センサー付きの「ARCCOS GP Light 360ツアーベルベット」が純正グリップとなっている。


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ピン「G425」アイアンの定価は、純正スチールシャフトが1本137.5ドルで純正カーボンシャフトが1本150ドル。

プレセールとカスタムフィッティングは本日からスタートしており、店頭での販売は2月4日から(アメリカ)。※日本では既に発売されている


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