結論を先に言うわけではないが、私は、誰もがクラブセッティングからPWを外すべきだなんて思っているわけじゃない。タイトルで煽っただけだ。

だから謝ることなんてしない。うさん臭く感じるかも知れないが、皆さんがこの記事を読み、クラブセッティングの中で他の選択肢はないと思い込んでいた番手について、別の考えを持ってもらえれば幸いだ

みなさんは、アイアンセットにマッチしたPWを、(セットに付属のPWではなく)単品ウェッジに変えようと考えたことはあるだろうか?

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単品ウェッジとは?

話を掘り下げる前に、まず「単品ウェッジ」とは何かを明確にしておこう。とは言え、「スクエア・ストライク」(チッパーの一商品名)について話をするわけではない。

「単品ウェッジ」とは、アイアンセットの一つの番手として販売されているわけではない「本格的ウェッジ」のこと。

「本格的」というと主観的な感じだが、私が言っているのは「SM8」「T20」「マックダディ」「MG2」「RTX」などよく知られているウェッジのことだ。ご理解いただけるだろう。

ほとんどの方が、少なくとも一本は単品ウェッジを持っており、中には、SWとLWも単品ウェッジという方もいるはずだ。

ただ、「ギャップウェッジ」(GW、アプローチウェッジやアプローチサンドとも呼ばれる)となると話は違う。

既製のアイアンセットは、以前、#3アイアンからPWというセッティングだったが、最近は#4からPW、#5からGWという流れになっており、皆さんのおおよそ3分の2がアイアンと同じGWを使っている。

そして、初級者・初心者向けのアイアンを使っているゴルファーにおける、アイアンと同じGWの使用率は、今でも高いままだ。

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単品PWとは?

多くの人が、アイアンメーカーが打ち出しているGWに満足していることを考えると、ほとんどのゴルファーがクラブセッティングのことを深く考えていないと思って間違いないだろう。

ご存じないかもしれないが、ほとんどのメーカーは、ロフト角46度くらいまでのウェッジを作っており、これはほぼPWのロフト角だ。

調整器具を使えば、多くは44度にまですることも可能で、こうなるとロフトが立ったPWということになり、単品ウェッジはほとんどの方にとって選択肢になるというわけだ。

皆さんの中で、アイアンセットに付属しているPWをやめて、それと同じロフト角の単品ウェッジに変えようと考えたことがある人はいるだろうか?

きっといないだろう。



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単品PWの使用者とは?

いずれはMYGOLFSPY読者を対象にこの答えを出すためにアンケートをとる予定だが、現状ではPGAツアーを参照するしかない。

数値は毎週、そしてシーズンを通じて変動するが、「ボーケイウェッジ」(ツアーNo.1の使用率)を使うプロのおおよそ66%が、アイアンセット付属のPWではなく、単品PWを使っているようだ。

何人か名前を挙げると、ジャスティン・トーマスやジョーダン・スピースが単品PWを使うボーケイ使用プロで、一方、ウェブ・シンプソンはタイトリストのアイアンセット付属のPWを使用している。

ところが、ミズノによると契約プロの過半数が、アイアンセット付属のウェッジを使用しているようだ。興味深かったのは、2、3年前にミズノがツアーでの単品ウェッジの使用率を調査したら、思いがけない線引きができていたということ。

世界のトップ40をチェックすると、男子は35歳未満が単品PWを使用し、35歳以上はアイアンセット付属のPWを好んでいたというのだ。

ミズノが若手プロにセットを組むと過半数以上が単品PWを選ぶというのは、偶然の話ではない可能性がある。

アイアンセット付属のウェッジは年配向けで、単品ウェッジは若手向けということは決してないが、ゴルファーは、スキルに関わらず大部分が「習慣」に左右されるということは合理的な推測に思える。

ずっとアイアンセット付属のPWを使ってきたら、その後もそうしたウェッジを使い続ける可能性は高いというわけだ。


単品ウェッジのメリットとは?

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アイアンセット付属のウェッジよりも単品ウェッジが勝るとすれば、それは(目的にそって開発された)優れた溝と幅広い多用性という2つの要素に集約される。


優れた溝

アイアンセット(特に初級者・初心者向けアイアン)付属のウェッジの多くは、標準的なアイアンの溝が採用されている。要するに、大抵の単品ウェッジのようにミルド加工されているのではなく、一般的にはフェースにプレス加工を施しているのだ。

つまりこうしたウェッジの仕様はそれほど精密ではないということ。基本的にグリーン周りでのパフォーマンスを考えられているわけではないので、精密である必要はないというわけだ。

一方、ほとんどの単品ウェッジは、多くのアイアンセット付属のウェッジに比べて重心が高く、ミルドグルーブも幅が狭く深い。

こうすることで、より弾道に直進性が得られ、スピンも多くなる(よりグリーンで止まりやすい)だけでなく安定性も増す。

もしアイアンセット付属のウェッジによるフライヤーにうんざりしているようなら、単品ウェッジに切り替えることを検討すべき。飛び過ぎも軽減され、弾道も改善されるだろう。

「チップショットでも、打ち出しが非常に低くなる」というのはミズノのクリス・ヴォーシャル氏。ヴォーシャル氏は数年前にアイアンセット付属のウェッジを使わなくなり、それ以降はその手のウェッジを使用していないそうだ。

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汎用性が高い

また、単品ウェッジでもう一つ指摘できることが汎用性の高さだ。もしPWをグリーン周りや距離のあるバンカーショットで使っているなら、ほとんどの単品ウェッジでは当然である「ソールの丸み」と「トレーリングエッジのグラインド」を気に入るはずだ。

確かに通常のPWのグラインドだとグリーン周りで「C」や「M」グラインドのようにフェースを操作することはできないまでも、一般的なセットアイアン付属ウェッジよりもクリエイティブな使い方はできるだろう。

「単品ウェッジは、セットアイアン付属のウェッジにはない多用性を実現するためにデザインされている」- ジェレミー・ストーン、ボーケイウェッジ・マーケティングディレクター。

当たり前のことだが、アイアンセット付属のウェッジは相変わらず他のアイアンの番手と同じ見た目になるようにデザインされていることで制約が生まれている、ということは伝えておくべきだろう(自分には理解できない)。

キャビティバックモデルは、それが設計上の“妥協点”となっている。

一般的にアイアンセット付属のウェッジは、バウンスが少なく(一方、私が知る全てのウェッジデザイナーは、バウンスは友達だと言っている)、重量配分(低く・深く・周辺に配分されている)も、上級者のようにウェッジの弾道を低くしたいゴルファーには理想的とは言えないのだ。

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単品ウェッジ反対論

使用中のアイアンにもよるが、その付属ウェッジを使う一番の理由は寛容性にある。

前提として、重量はMOI(寛容性を求める際の一要素)に大きく寄与し、ウェッジのヘッドは概ね重たい。

ということは、ブレードタイプのウェッジになったからと言って、皆さんが思うほど寛容性が激減するというわけではないのだ。これは、ロフトが増えても同様だ。

MOIは寛容性を導き出す上で重要ではなくなっているが、とは言え、単品ウェッジは易しさは低下する。

一方、ボーケイのジェレミー・ストーン氏は、ウェッジの寛容性はグラインドに由来すると反論。特定のゴルファーが特定のショットをした時にグラインドが芝に対してどう作用するのかによるとしている。

これは紛れもない事実だが、ストーン氏は、ボーケイの調査において、ロフトが50度から52度(GW)までは、キャビティバックデザインの方が一般的な意味で寛容性があったということも認めている。

結局、こうした議論は必要とするタイプの寛容性次第ということに行き着くということだ。


寛容性が高い単品ウェッジのオプション

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一般的な寛容性を求めるとして、アイアンセットにマッチしたウェッジだけが選択肢とは限らない。

クリーブランド(CBXシリーズ)とミズノ(Sシリーズ)では、寛容性を備えた大型ヘッドながら単品ウェッジ特有のパフォーマンスも実現するウェッジをラインナップしている。

こうしたデザインにすることにより、皆さんが使うアイアンのような見た目ながら、溝やグラインドによるパフォーマンスを享受しつつ寛容性もキープし、様々なことが可能になる。

確かにヘッドが大きいため、芝からの抜けはそこまでではなく、ヘッドが小ぶりな高重心ウェッジと同様の弾道コントロールもできないが、そうしたことは、特に初心者や初級者にとっては妥協できるはずだ。

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大局的に見れば寛容性を気にするのは当然だが、単品ウェッジを選択することは必ずしも寛容性を諦めることではないし、寛容性だけをウェッジ選択の唯一の決定要素にするべきでもないだろう。


単品ウェッジはあなたにフィットするのか?

ここまで単品ウェッジの長所と短所を伝えてきた。ということで、いよいよ皆さんの決断の時だ。ボーケイのジェレミー・ストーン氏とミズノのクリス・ヴォーシャル氏の両氏は、PWは目的と機能で決めるべきとしている。

では、皆さんにとってPWはどんなクラブだろうか?

もし、アイアンセットの流れで「10番アイアン」としてほぼフルショットするなら、アイアンセットと同じモデルのウェッジを選択した方が良い。初心者・初級者向けのアイアンを使っていたり、あるいはすでに弾道が低いなら尚更だろう。

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しかしながら、もしあなたがPWをグリーン周りのピッチショットやチップショット、バンカー脱出、あるいは低弾道ショット用で使っているなら、ウェッジを変えることでそのメリットを生かせるはずだ。

ほとんどのフィッテイング時と同様に絶対的な正解はないので、(eBayの激安モノであっても)単品PWを選んでスコアが縮まるかチェックしてみても良いだろう。

「ウェッジを選ぶ上で一番信頼が得られる方法は、打って、信じて、性能を理解することだ」。ストーン氏もこう言っているのだから。


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