2021年「Most Wantedマレット」パター
オデッセイ「トリプルトラック 2ボール」
  • 2021年「Most Wanted」における№1マレットパター
  • 20フィート(約6.09m)からのストロークス・ゲインドでトップ
  • 打感が高評価
  • 5フィート(約1.52m)のランクでトップクラス
  • 「トリプルトラック・アライメント」には賛否両論

5フィート(約1.52m)ランク

7位

10フィート(約3.04m)ランク

11位

20フィート(約6.09m)ランク

1位

第2位
オデッセイ「2-BALL TEN S」
  • 3つの距離全てにおいてストロークス・ゲインドがトップ6
  • アドレス時の見た目が高評価
  • 打感がソフトという声があった

6位

6位

4位

イーブンロール「ER8V」
  • 3つの距離全てにおいてストロークス・ゲインドがプラス
  • 5フィート(約1.52m)と10フィート(約3.04m)のランクでトップクラス
  • 「打感」と「TourTac」グリップが高評価
  • テスターからクローム仕上げが眩しすぎるとの声

3位

5位

12位

オデッセイ「White Hot OG 7」
  • 5フィート(約1.52m)からのストロークス・ゲインドでトップクラス
  • クラシカルな時代を超えたデザインが高評価
  • 距離感に問題があるというテスターが数名いた

3位

9位

10位

ベストバリュー
ウィルソンスタッフ「INFINITE BUCKINGHAM」
  • 5フィート(約1.52m)からのストロークス・ゲインドでトップ
  • 10フィート(約3.04m)からのストロークス・ゲインドがマイナス
  • デザインは不評

1位

3位

2位


すべてはあなたのゲームのために

2021年の最大にして総合的なマレットパターのテストが終わったが、結果には驚くかもしれない。

MyGolfSpyでは、独自で公平、そして客観性に基づいたテストを実施しており、より信頼を持って購入を判断することが可能であり、2021年「Most Wantedマレットテスト」は、既製品の購入者やフィッティングをする前に情報を手にしておきたい人にとって、欠かすことのできないものとなるだろう。

また、いつも通り我々は、今みなさんが使っているモノを上回るモノでない限り、そのクラブにお金をかけることを勧めたりはしない。

もし新しいパターを探しているなら、このテストはあなたのためにあると言える。


2021年「Most Wanted」マレット:オデッセイ「トリプルトラック 2ボール」

連覇。これだけでもう分かるだろう。とはいえ、結果は想定外だった。

オデッセイの「トリプルトラック 2ボール」が「Most Wanted」で2年連続の頂点に立った。その理由はデータを見れば明らかだ。

・全体のストロークス・ゲインドで1位

・5フィート(約1.52m)からのストロークス・ゲインドで7位

・10フィート(約3.04m)からのストロークス・ゲインドで11位

・20フィート(約6.09m)からのストロークス・ゲインドで1位

安定したアウトプットは、このシリーズならではだ。20フィート(約6.09m)からのパフォーマンスが僅差での勝利に導いた。どう言おうが自由だが、チョー良いパターとはこのモデルを指す。



パター購入で考慮すること

長さ

一般的に市販されているパターの長さは34インチか35インチだ。長さは距離感と方向性に影響する。

多くのゴルファーは、短いシャフトのパターの方がフィットすることを理解しているようだが、アドレスで構えた時にリラックスしてセットアップできるパターを選ぶと良いだろう。


ロフト

ロフトは重要だ。適正なロフトは、フェースからボールが離れた時のスムースな転がりを実現する。

ロフトが立ち過ぎていたり寝過ぎたりしていると、ボールが跳ねたり「ホップ」する原因となり最終的に距離のコントロールに課題を残す。あなたのパッティングストロークに合う適正なロフトを選ぶなら、プロのフィッターと一緒に選択することをおすすめする。


ブレード VS マレット

どちらがベストなのか?それは、個人の好みとそれぞれのストロークタイプの掛け合わせだろう。

フィッティングにおいて絶対と言えることはほとんどないが、ストロークが速いなら軽量のブレードパターがフィットする。一方、ストロークのテンポがゆっくりでスムースなら、重めのマレットタイプの方がマッチするだろう。


トゥハング(トゥの傾き度合)

テンポと同様、ストローク中のアークの大きさも適正なパターを選ぶ要素となる。

もし、ストローク中のフェースの開閉が平均よりも大きいなら、トゥ側に重量があるヒールシャフトのパターが検討に値する。人差し指2本でパターを支えることで、バランスをチェックすることができ、パターヘッドのトゥが6時の状態に近ければそれはトゥバランスのパターという具合だ。

フェースバランスはフェースが上を向くパターで、一般的に真っ直ぐ引いて真っ直ぐストロークするタイプのゴルファーに合う。


パターの特徴

ドライバーほどではないが、パターにもテクノロジーが詰まっている。

ヘッド重量を変更するだけでなく、ストローク時のアークの大きさに合わせてトゥハングの度合いを変えることができる調整可能なウェイトがついているパターは珍しいものではない。

例えば、テーラーメイド、ミズノ、Sub 70、スコッティ・キャメロン、そしてPXGのマレットパターにはこうした機能を搭載している。またオデッセイとトゥーロンパターの全モデルには複合素材のストローク・ラボ シャフトを採用。

イーブンロールや他ブランドは、ミスヒットした時のスムーズな転がりを実現するだけではなく一貫した距離感(モデルによっては方向性)をもたらすフェースミーリングやインサートが搭載されている。


速いグリーン VS 遅いグリーン

パターの重さをよくプレーするコースのグリーンのスピードに合わせる必要があるだろう。

遅いグリーンだと重めのパターの方が良いパフォーマンスを発揮する傾向があるし、速いグリーンには繊細なタッチが必要なので軽めのパターの方が良い結果が得られる。


   
2020 Most Wanted vs 2021 - PING G410 LST

真っ直ぐ引いて真っ直ぐ出せるベストなパター – オデッセイ「トリプルトラック 2ボール」

オデッセイの「トリプルトラック 2ボール」は2年連続で「Most Wanted」マレットパターの座を手に入れた。改めて、特に20フィート(約6.09m)の距離から素晴らしい安定性を発揮。安定性があるモデルを探しているなら、他に目移りすることもないだろう。


記録

テストでは、市場がどこに向かっているのかを探り、メーカーが年々パフォーマンスを向上させるためにどのような改善を行っているのかを分析。テスト中は、テスターからフィードバックも受けている。テスターが何を気に入り、何が気に入らず、そしてその理由も把握するようにしている。しかし、こうした主観的なフィードバックを集め共有してはいるが、2021年の「Most Wantedマレットパター」の総合順位に影響を与えているわけではない。


トレンドと変化

・マレットパターの見た目は、いつも寄せ集め感がある。中でも目立っていたモデルは、ピンの「2021 Harwood (ハーウッド)」とベティナルディの「INOVAI 7.0(イノベイ)」。でも、見た目で惑わされないように。両パターとも高MOI、つまり非常に寛容性が高い

・これまで、テストではフェースバランスパターが非常に多い傾向にあった。しかし、今年はバラエティに富んでいる。26本中11本がフェースバランスで、12本はスライトアークでトゥハングタイプ、2本がストロングアークのトゥハングタイプ、そしてトルクバランス(トゥアップ)が1モデルある。

・マレットパターには、PXG、ベティナルディ、その他のメーカーから様々なネックタイプがラインナップしている。2021年の「Most Wantedブレードテスト」で紹介したように、イーブンロールの「Vシリーズ」は「取り替え可能なホーゼル」が特徴。異なるネックの選択肢があると、フィッティングでの選択肢も幅広くなる。我々のユーザーには、是非、パターフィッティングをして欲しい。あなたのストロークタイプにマッチした適切なネックにすることで、パッティングはより安定するはずだ

・テーラーメイドの「スパイダー FCG」は2021年「Most Wantedマレットパターテスト」の変わり種だ。このパターは、「ブレードのようなフィーリングのマレット」というアイデアで、浅重心が特徴。このようなデザインはテーラーメイドが初めてではないので、似たようなパターをどのメーカーがリリースするのか興味深い


ご存知でしたか?

使用するパターの最低の長さは18インチだが、長尺に制限はない。


テスターからのフィードバック

・データで見ると、オデッセイのパターが圧倒していたが、テスターのフィードバックも同様だ。「トリプルトラック 2ボール」、「2ボール Ten S」、「ホワイトホット OG7」は全て打感、重量配分、アライメントという点で高い評価を受けていた

・テスターによるとテーラーメイドの「Spider EX」は打感が素晴らしく、安定した転がりを実現していたとのこと。しかし、アライメントのドットが反射し過ぎるという声もあった

・「ER11v」のボールを拾える隠れた特徴が人気を集めた。「ER11v」と「ER8v」に装着された「TourTac」グリップも評価が高く。また両モデルとも打感が高評価だった

・ミズノの「M Craft V」と「VI」は打感と全体的なデザインが人気だった。しかしミズノのブルーイオン仕上げについては、未だ賛否両論あった

・PXGの「ブラックジャック」と「ワン&ダン」は見た目が人気だった。アライメントが簡単なこともプラスに働いたようだ

・ウィルソン・スタッフは、パフォーマンスが良いパターを送り出し続けているが、「Infinite Buckingham(インフィニット バッキンガム)」は賛否両論だった。多くのテスターがクラブデザインはゴチャゴチャし過ぎていると感じている。一方で、打感と転がりはずば抜けていると感じているテスターもいた



ベストスライトアーク – オデッセイ「2ボール TEN S」

今年の「Most Wantedマレットパターランク」で2位になったオデッセイの「2ボール Ten S」は、3つの距離全てにおいて素晴らしいパフォーマンスを見せた。その素晴らしいスムーズな転がりが高評価。セッティングに入れたい一本と言える。


2021年「Most Wanted」マレットパターデータ

専門家のアドバイス トゥハング(トゥの傾き度合)&ライ角

パターのトゥハングとライ角をあなたのストロークタイプとアドレスポジションにマッチさせることが必要不可欠だ。これら2点は、適正なパターフィッティングのカギとなる。仮にあなたのストロークが、フェースローテーションが多いタイプなら、トゥハングが強目(ストロングアーク)のパターを試してみて欲しい。逆に、フェースローテーションが少ないなら、フェースバランスのパターを試してみるといいだろう。

ウッドやアイアン同様、パターのライ角は方向性に影響する。パッティングの傾向にマッチしたライ角を選ぶことも忘れずに。


ベストストロングアーク – ミズノ「M Craft V」

「M Craft V」は、ストロークス・ゲインドがプラスだったことで、ミズノの明るい未来を予感させ続けている。デザインと打感に優れたこのパターは、10フィート(約3.04m)、そして20フィート(約6.09m)から素晴らしいパフォーマンスを発揮した。



2021年「Most Wanted」マレットパター – 購入のヒント

フィッティング

アマチュアゴルファーの95%はパターフィッティング未経験だ。(皆さんにパターフィッティングを実施している)ほとんどのPGAプロもフィッティング経験がないと知ったら驚くはず。

あなたにマッチしていないゴルフ用品でプレーすると、スコアを無駄にする可能性大だ。見た目とフィーリングが良いというだけでパターを選ばず、あなたのストロークにベストマッチし、よりカップインできるパターを見つけるためにフィッティングを受けて欲しい


フェーステクノロジー

パターフェースは重要だ。パターフェースを軽視せずに、バリアブルグルーブやインサート、伝統的なミルドフェースに注目して欲しい。テクノロジーこそ若干異なるがその目的はほぼ例外なく安定した結果(パー以内で上がること)を実現するためにある。こうしたテクノロジーを駆使し、皆さんのスタイルとニーズに合う最適なものを選ぶと良いだろう。


グリップ形状

パターのグリップは様々で、結局は個人の好みによる。太めのグリップは安定感抜群だがフィーリングが出ない可能性がある一方、細めのグリップは良いフィーリングを得られるが、コントロール性がやや損なわれることがあるだろう。グリップは賢く選ぶと良いだろう。


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2021年「Most Wanted」マレットパター – 商品スペック

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MYGOLFSPY版の「ストロークス・ゲインド」について

ストロークス ゲインド:元々は2011年からPGAツアーで導入されたプレーヤー指標。コースの難易度により大きく変動する「平均パット数」や「パーオン率」等では比較できない、選手の「本当の実力」を比較するために生まれた指標。同じコースでの全選手の平均ストローク数、あるいは同程度の難易度のコースや状況における平均ストローク数と自分のストローク数との「差」で示される。

「スコアを何で稼いでいるか」という観点で、「ドライバーショット」「アイアンショット」「アプローチショット」「パッティング」それぞれのショットが、平均値より何打“少ないか(ゲイン)“を数値化している。

MYGOLFSPYの「MOST WANTED」における製品テストでは、この「ストロークス・ゲインド」の考え方をベースとして、プレーヤーではなく“商品そのものの実力”を見るため、「ドライバー」「アイアン」「パター」等、各カテゴリーの「商品の実力」を比較する指標として用いている。


ベストルッキングパターとベストフィーリングパター

ベストルッキングパター –オデッセイ「ホワイトホット OG7」は見た目で大きな賞賛を得た。時代を超えたデザインにモダンなテイストをプラスした一本。すっきりとしたヘッドデザインと魅力的なカラーコンビネーションでこの美しさを実現している。

ベストフィーリングパター –今回のテストにおいて、テスターからベストフィーリングパターに選ばれたのがオデッセイ「2ボール Ten S」だ。ソフトな打感と一貫した転がりが、テスターの共通したフィードバックだった。


よくある質問

パター購入編

Q:パターフィッティングをするべきか?

A:当然だ。単にお店のパターコーナーに行って、フィーリングの良いものや2、3回入ったパターを選ぶべきではない。よく調べてどのようなパターかを知り、その上であなたのストロークに最適なパターを見つけることができるパターフィッティングを受けるつもりでお店やコースに行くと良い。あなたに合うベストなパターを見つける最良の方法はフィッティングを受けることだ。


Q:自分でパターフィッティングは可能か?

A:ある程度は可能だ。PINGでは、使用中のパターシャフトに装着できるスリーブとペアになっているアプリを開発。あなたのストロークタイプ、ライ角、ロフト角を見つけ出し、次に購入すべきパターがわかる。


Q:どのように自分に合う長さのパターを見つければ良いか?

A:簡単にパターの長さをチェックできる方法がある。パターを持ち構えやすいパッティングスタンスをとってみよう。パターが短いと、アップライトになったりヒールが浮いた状態になる。反対に、長すぎるとボールが近く見えたりトゥがやや上を向く。気になるならフィッターを訪ねてみよう。


Q:一般的なパターの価格は?

A:有名ブランドのパターは99ドルから400ドル程度。高価格帯モデルは100%CNCミルドであることが多いが、パターのロゴ(ブランド)に対して高い値段を払っていることも事実だろう。価格も重要だが、ベストなパターは高いとは限らない。


専門家のアドバイス 速いグリーン VS 遅いグリーン

誰しも速いグリーンや遅いグリーンでプレーした経験はあるだろうが、もしあなたが「パターの重量」が距離感に一貫性をもたらすという事実を知ったらどうする?

パターは重ければ重いほど、遅いグリーンで効果的。逆も然りで、軽めのパターは速いグリーンで良いパフォーマンスを発揮する。


「Most Wanted」

Q:「Most Wanted」の勝者はどのように決めるのか?

A:今年のベストパターランキングは、個々の平均パターに対するストロークス・ゲインドの数値で決める。全テスター20名による各パターの平均ストロークス・ゲインドを、3つの距離(5フィート、10フィート、20フィート)テストで合算。「Most Wanted」は一番ストロークス・ゲインドが高いパターとなる。


Q:どのようにストロークタイプ別のベストパターを決めたのか?

A:テスト開始時に各パターをトゥハングとストロークタイプで分類。分類された中で総合得点が最も高かったパターが、トゥハングとストロークタイプごとのベストパターとなる。


Q:見た目、打音、フィーリングなど主観的要素はどの程度ランキングに影響するのか?

A:全く影響しない。我々のランキングは、合計のパット数と定量化できるパフォーマンス測定だけをもとにしている。主観的コメントを掲載しているのは、テスターによる直接のフィードバックを読者が望んでいるからだ。