2,3週間前、私は驚くべきものを見た。

ゴルフ記事のビジネスでは、見知らぬ土地のゴルフショップを訪れる義務がある。そしてどこに行こうが、ほとんどいつも一様に同じ古さである。しかし、ノースダコタ州ファーゴにあるAustad's Golf を見た時、その概念が吹っ飛んだ。

もちろん、キャロウェイ、テーラーメイド、ピンなどのいつもの顔ぶれもあったが、衝撃的だったのは、小売ショップでは未だかつて見たことのないほどの幅広い品揃えで、プレミアムラインであるゼクシオが売られていたのだ。ドライバー、フェアウェイウッド、ハイブリッド(ユーティリティー)、アイアンが、スチールとカーボンシャフト共に、勢揃いであった。

小売店でゼクシオのようなプレミアムブランドが販売されることは、ノースダコタ州でさえも、珍しいことではない。低~中程度のヘッドスピードの高齢ゴルファーをターゲットとする超プレミアムクラブは、ニッチな市場である一方で利益も上げやすい。OEMメーカーは、主流になることなく消えていくニッチの後に来るものが何であれ、そこに広がりつつある超プレミアムクラブのユーザーを頼りにしている。

今回ゼクシオがXを投下したのは、この広がりつつあるニッチ市場なのだ。

10代目ゼクシオ

ぱっと見た感じだと、ゼクシオXはバースデーカードに描かれたグラミー賞のマークか何かのように見える。今回のデザインは、ゼクシオ10代目を表している(iPhone 10と同じく、10 = X)。スリクソン・クリーブランド・ゼクシオのトリオは、かなり特定のターゲットに狙いを定めている。

“我々はヘッドスピードが中くらいのゴルファーを追ってきた。ここ数年で失ってしまった飛距離を少し取り戻したいプレーヤー、すなわち高齢のプレーヤーのことだ。もしヘッドスピードが42.5m/s以上あるなら、このクラブは向かないだろう。”とゼクシオのプロダクトマネジャーであるザック・オークリーは語る。

高額商品にもかからず、ゼクシオは特定のマーケットに定めたことで足場を固めてきた。その理由はたった一つ。ゼクシオは、ゴルフクラブに対しお金を厭わない、なおかつヘッドスピードが42.5m/s以下のゴルファー向けに造られているからだ。

価格に対するパフォーマンスの指標は後ほど説明するが、まずは新ラインナップを詳しく見てみよう。

 

ゼクシオ(ウッド)

ゼクシオは、価格よりもむしろ目的(良い結果)重視でクラブ造りをしていることを誇りにしている。それを聞いて、PXGのようだと思ったら、間違いでもない。新ゼクシオの価格がPXGっぽいと思えば、それも正しい。新ゼクシオXドライバーは$649.99、フェアウェイウッドが$399.99、ハイブリッド(ユーティリティー)が$299.99だ。

この金額を払って、得られるものは何だろうか。

ゼクシオによると、トゥルー・フォーカス・インパクト・テクノロジー(True-Focus Impact Technology)と呼ばれる技術と、それに伴う3つの技術、ハイ・エナジー・インパクト・ヘッド(Hi-Energy Impact Head)、スマート・インパクト・シャフト(Smart Impact Shaft)、ロー・スイングMOIデザイン(Low Swing MOI Design)が搭載されているという。

 

ゴルファーがミスをする時、トゥの上部、もしくはヒールの下部をたたいている。ハイ・エナジー・インパクト・ヘッド(Hi-Energy Impact Head)は本来、フェースの右上と左下方向にスイートスポットを広げるものだ、とゼクシオは言う。

“トゥエリアの上部とヒールエリアの下部を薄くすることにより、これらエリアにおいてのCOR(反発係数)が増す。またヒール下部にソールの溝を設けてることで、ヒール下部にあたった際のボールスピードを増大させる。これらの結果として、スイートスポットを34%拡大させることに成功した。

詳細に欠けるが、オークリーはゼクシオXの重心位置は前回のモデルに比べて低く、深く、また高打ち出しを可能にするため、ウェイトを10mmほど後方、かつ中心に移動したと説明した。

 

シャフトの魔術?

日本の住友ゴム工業の子会社であり、スリクソン・クリーブランド・ゼクシオのオーナーでもあるダンロップスポーツは、カーボンシャフトの製造会社も所有している。よくスリクソンやクリーブランドのウッドに、ミヤザキシャフトが装着されているのを見るのはそのためだ。ゼクシオXウッドの新MP1000シャフトは自社製であり、ハイ・エナジー・インパクト・ヘッド(Hi-Energy Impact Head)との相性がよく、最高に調和のとれた設計になっている。

“高強度弾性層を使い、最高にいいものを造り上げた。スウィング中に体にかかる力を考え、このシャフトはスウィング中のバランスの崩れを軽減させる造りになっている。実際に、タイトなスウィング軌道を作ることができる。”とオークリーは説明した。

何だって?

“つまり、重量がより手の方向にかかる、ということだ。それにより、スウィングがかなり楽になる。シャフトの手元がほんの少し柔らかく、柔軟性のある高バランスのシャフトということだ。効果として、自分の手を少し体に近く寄せることができ、体にかかる力を軽減し、バランスが崩れるのを防いでくれる。同様にして、スイートスポットに当たる確率も高めてくれる。

体のバランスを保ちながら、スイートスポットにもあたるシャフト?これは、MYGOLFSPY LABSを登場させた方がいいもしれない。

ゼクシオはT1000Gと呼ばれる完全に新しい炭素繊維を開発するために、炭素化学の世界的リーダーである東レと協力している、とオークリーは語る。公式の記事によると、T1000Gはカーボン同様に強く、薄く、軽いという。 手元が柔らかく、高バランスという特徴は、カーボンシートをシャフトに対して平行、垂直および斜めに巻くことによって得られるという。

 

最後は、彼らがロー・スイングMOIデザイン(Low Swing MOI Design)と呼ぶ特徴だ。軽いクラブ向けの宣伝文句みたいに聞こえるが、それよりもっと多くの特徴がある。

“全体的な重量はもちろん重要だ。しかし、重量を配置する場所も更に重要になる。ゴルファーが球を上げようと無理に振る必要がないように、重量をより手の方向に移動させた。よって足元がぐらぐらスライドすることを防ぎ、同じスウィングスピードを保つことを可能にする。”と彼は言う。

高バランスポイントのシャフトがもたらすその他のポイントとして、ゼクシオドライバーは、45.75インチと長めだ。長めのシャフトは明らかにヘッドスピードを上げる効果があるが、同時にスイートスポットに当たりにくくなる。軽量シャフトとスイートスポット拡大という二つの機能を組み合わせることで、長めのシャフトでも扱いやすく、スウィングしやすくなる。

全てのゼクシオXには、ホーゼルが固定されている。ドライバーの容量は460cc、8.5~11.5°までの4つのロフト角があり、全体重量は270グラムである。スイングウェイトはRでD5、SとSRでD6である。フェアウェイウッドのロフト角は、15、18、20、23°の4種、ハイブリッド(ユーティリティー)は、18、20、23、26°である。

 

チタン&タングステン

新ゼクシオにブレードとかキャビティーバックを探しても無駄である。いくつかおもしろいひねりを採用することで、とにかく超初級プレーヤー向けに仕上げているのだ。

まず一つ目が、ゼクシオXのチタンフェースだ。チタンフェースを採用したアイアンは、特に目新しくはないし、事実、中レベルのヘッドスピードのゴルファーが多い日本ではかなり普通のことである。キャロウェイのBig Bertha Fusionアイアン、テーラーメイドのBurner CD、ピンのRaptureは10年ほど前からチタンフェースを採用してきた。ゼクシオは、価格の制約なしで、広めのスイートスポットや高ボールスピードを実現するのに十分な薄さのチタンフェースを造ることに成功した。

“通常チタンフェース仕様のフルセットを作ると法外なコストが掛かる。初級プレーヤー向けアイアンではあまり見る事がない理由はそれだ。今よりも高級なクラブを探すようになると、価格が理由で経験できなかったことがいくつか可能になる。”とオークリーは言う。

ゼクシオアイアンの二つ目の技術は、初級向けアイアンに期待するもの、つまり広いスイートスポット、低重心を可能にするタングステンニッケル製のウェイト、革新的なアイアンに特化した重量設計などである。シャフト的には、前提はウッドと変わらない。つまり、シャフトがロー・スイングMOIデザイン(Low Swing MOI Design)搭載ヘッドと併せて設計されている。

“新商品を出す度に、シャフト、グリップ、ヘッドの全てが一体となり設計され、それらすべてが私達独自のものである。”とオークリーは説明した。

価格的には、同じ市場で一番新しいクラブ、キャロウェイEpic Starと比較しても、ゼクシオXアイアンはお手頃な価格となっている。キャロウェイは1本$300なのに対し、ゼクシオはスチールシャフトで$160(Nippon NS Pro 870GH DST-S/R)、カーボンシャフトで$200(ゼクシオ独自のMP1000-S/R/SR)といった設定だ。

カスタムシャフトが欲しい場合は? 考える必要はない。 XXIOはカスタムフィッテングをやっていない。

“それは、クラブは総体的に1つのユニットとして設計されるべきという事実と関係している。一部が狂いだしたら、これら全ては一つのものとして機能しなくなる。”

将来的に、ある程度のカスタムフィッティングはやることになるかも知れないが、現在のオプションはグリップの選択があることくらいだ。

“高齢ゴルファーは太目のグリップを好む傾向にある。手に収まりやすいからだ。”とオークリーは言う。

スペックとしては、あなたが初級者向けアイアンに期待する37インチ、29°(7番アイアン)の設定だ。

 

価格 VS パフォーマンス

数週間前に、MyGolfSpyはプレミアム市場での人気クラブEpic Starの真相をお伝えした。キャロウェイは数グラム縛り、超軽量プレミアムシャフトを設置してEpicを完成させた。簡単にニッチ商品の出来上がりだ。

“Epic Starが発売されるという噂は聞いていた。他のメーカーが先例に従うことは特に驚くことではない。しかし、ゼクシオのコアコンピテンシー(中核技術)は、長らくやってきたゼクシオラインにある。他のゴルフメーカーが参入することがあれば、そこにマーケットがあると他社も認めている証拠だ。”とオークリーは述べた。

そのマーケットとは、もちろんゴルフに費やす十分な予算を持った高齢のゴルファー達である。

オークリーによると、ゼクシオの試打会でターゲット層のゴルファーが20ヤード遠くに飛ばすのは、決して珍しくないと言う。その数字は、元々使用していたクラブとの比較なのかという疑問は残るが、現実にはほとんどのメーカーが高齢のゴルファー向けに特化した商品を開発しない。ゼクシオは、それをずっとやってきた。高齢ゴルファーは人口比率の中でも勢いがあり、世界にたくさん存在するのだ。

残されたゴルフ人生が少なくなってきたら、スウィングしやすくて、少し遠くに飛び、ゲームを長く楽しめるようなクラブに、さらに金額を上乗せする価値があるか?一部の人は、価格では動かない、でもその他の人達は?

私の友人の母親の話は、貴重な例になるかもしれない。彼女は70代で、正直棒のように細い。にもかかわらず、ロデオアイランドゴルフホールのUSGAチャンピオンシップでプレーし、ブリティッシュシニア 女性アマチュア部門 で20歳も年下の女性を負かし、10位を取るような女性だ。

ここでは、ゴルフ初心者について話題にしているのではない。

彼女は昨年ゼクシオを試打した後、早めのバレンタインプレゼントとして、夫にゼクシオをお願いした。彼女がそれまで使用していたタイトリストAP1(男性シニア用シャフト)を捨てた後、彼女はよりボールを高く、真っ直ぐに、10ヤードは遠くに飛ばせるようになった。しかも、背中と肩の手術を控えているというのに。最終的に、彼女はフロリダシニアオリンピックにて、1位を獲得するまでになった。

才能?それはもちろんだ。クラブの適性?多分、それもある。ゼクシオを使ってパフォーマンスが改善された?それなら議論の余地がある。

プレミアムラインのクラブに関する記事ほど、文章の雰囲気について頭を悩ますものはない。

多くの場合、その悩みは製品の良し悪しを正しく判断できるか、に尽きる。Epic Starに関しては、老女に真新しいドレスをまとわせ、“ティファニー”と呼ぶことと等しいと言えるかもしれない。つまり、その高価格が実力に見合うかどうか、という疑問が残る。少なくともゼクシオは、技術において特徴的なものを開発してきたと主張できる。20年もの間、この市場だけのために。

ニッチマーケット?そうかもしれない。しかし、私たち一人一人がいつかその一部になることを望んでいるのだ。

ゼクシオXは男性・女性モデルの両方を展開しており、10月9日(日本では12月9日)より発売予定だ。

詳しくは、XXIO X(ゼクシオ テン)を参考にしてほしい。

 

 

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