Vokeyウェッジについては、もはや説明するまでもない。

販売数でもツアーでも、他を大きく引き離す正真正銘のNo.1ウェッジだ。

これはおそらくご存じのことだろう。

タイトリストの傘下にある多くのブランドと同様、Vokeyウェッジの販売は安定しており信頼も厚い。消費者は、新しいVokeyウェッジから何が得られるのかを少なからず予想できるだろう。そのため新モデルが出るからといって、大々的に取り上げる必要はないのかもしれない。

グラインドの重要性

 SM 7 のリリースに伴い、ボーケイはグラインド(ソール形状)の重要性を再度強調している。すでにこれを理解している人もいるだろうし、偶然自分に合ったウェッジを見つけた人もいるかもしれない。しかしグラインドの目的を理解することなく、ルックスだけで選ぶ人もいるのではないだろうか。そういう人は、ウェッジソールはそれぞれ違うことに気づいていないのだろう。

2018年度のタイトリストのキャッチフレーズの1つに、「グラインドを知り、スコアを伸ばす(Know your letter, hit your number.)」がある。自分に合ったグラインド(your letter)を知ることで、インパクトに自信が生まれ、より良いスコア(your number)へ導くということだ。

これに関してはフィッティングが重要なポイントだが、それは後ほど紹介するとして、ここでは今回の製品がどのように進化したかをお伝えしよう。

ボーケイは、これまでのウェッジをより優れたものに進化させるために包括的なアプローチをとった。一部を改良するのではなく、小さな変更を積み重ねることで、最終的に優れた製品を定量的に生産する方針だ。ボーケイは、このプロセスは彼らにとっての挑戦だが、同時にチャンスでもあると見ている。SM7では3つの重要な点を改良して、以前より各段に優れたウェッジを造りだした。

多彩なウェッジ

Vokey SM7の種類の多さは、グラインドに重きを置くボーケイの確固たる信念の表れだ。ソールの輪郭の微妙な違いが、ゴルファーの才能を引き出す。ゴルファーのレベルやスイングの違い、コースのコンディションに合わせてウェッジを使い分けることが重要であることを認識するべきであり、それにはフィッティングが重要だ。1~2本のウェッジであらゆるアプローチに対応するのは難しい。そして適切なフィッティングのためにはグラインドオプションは欠かせないだろう。ボーケイでは従来どおり、複数のグラインドオプションを提供するようだ。

SM7のラインには、9種類のロフト角と5種類のバウンス角に対応する6種類のグラインドがある。合計23種類もの選択肢が用意されており、世界中のどんなゴルファーにも適応するウェッジラインナップであると確信しているようだ。

グラインドの概要

6種類のグラインドオプションに関して、ボーケイは以下のように説明している。

Fグラインド:主にフルスイングやスクエアフェイス用に設計されたフルソール。そのため、F グラインドは46°/48°/50°/52°のモデルのみで入手可能。54°/56°のF グラインドは、PGAツアーで最も多く使用されているサンドウェッジ。

S グラインド:スティーブ・ストリッカ―の評価をもとに設計されたSグラインドは、F グラインドよりも多彩なタッチでスクエアショットに向いている。シンプルなスイングには一番適している。

Mグラインド:ボーケイのお気に入りのMグラインドは、フェース角度を変化させてグリーン周りのショットをコントロールしたいゴルファーのために設計された。

Dグラインド:新しく追加されたDグラインドは、ハイバウンスのウェッジ。Mグラインドと同じく多目的で、三日月型のデザインが特徴。

Kグラインド:ラインナップで最もハイバウンス。Kグラインドは究極のバンカークラブであり、あらゆるショットに対応する最もやさしいウェッジ。

Lグラインド:細い三日月型のLグラインドは、グリーン周りのさまざまなショットに対応可能だが、ラインナップの中で最も難しい。

 

 

ボーケイブランドになじみがある人なら、このリストに見覚えがあるかもしれない。唯一新たに加わったのは、Dグラインドのみだ。ボーケイはこのDグラインドの発売に胸を躍らせている。

Dグラインドは58°と60°で利用可能で、ハイバウンスが特徴だ。言うなればワイドソールでないKグラインド、あるいはハイバウンスのMグラインドといったところである。Dグラインドはツアープロから最も要望が多いロブウェッジだったため、今回ラインナップに追加することを決定したという。

 

飛距離と弾道コントロール 

セットウェッジより、従来型のピッチングウェッジを好むツアープロがいる。この傾向は、徐々に一般のゴルファーにも浸透している。ボーケイとツアープロとの共同作業で明らかになったことだが、ローロフトのSM6ウェッジでは、同じロフトのセットウェッジほどのボールスピードは生まれなかった。しかしSM7は、ピッチングウェッジに見られる「正確さと飛距離が両立しないジレンマ」を解消して、ローロフトでも飛距離を伸ばすことが可能だ。

弾道のコントロール性を向上するために、ボーケイは重心位置をわずかに変更した。

SM6を思い出して欲しい。ロフト角が少ないほど重心位置を下げ、ロフト角が大きくなるほど重心位置を上げた設計だった。アイデアとしては、理想的なインパクト部分に重心位置を合わせることで、それぞれのロフトに理想的な弾道とスピン量をもたらすというものだ。

ボーケイは、SM6では満足な結果につながらなかったと感じており、SM7ではロフト角が少ないものには低めに、逆にロフト角の大きいものには高い位置に重心位置を設定した。

ボーケイによれば、この変更でより一貫性のあるパフォーマンスが可能になるという。さらにプレーヤーからのフィードバックでは、重心位置の変更によって、打感がかなり改善されたという意見もあったようだ。

技術的な話だが、ハイロフトのクラブでは重心位置を上げると重心を戻そうとする力が働く。重心位置が高いほど高スピンを生み出し低い弾道になるが、同時に自然の摂理により抵抗力が働き、一部は相殺されてしまう。これを軽減するために、考案されたのがプログレッシブ・ホーゼルだ。ロフト角が大きくなるほど長いホーゼルを採用し、重心位置を上げると同時に前方に保つことができる。

興味深いのは、SM7の重心位置はグラインドには依存しておらず、独立しているということだ。SM6の場合、60°のLグラインドの重心位置は、同じく60°のKグラインドとまったく同じではなかったが、SM7はグラインドの種類にかかわらず、同じロフトならば重心位置は共通だ。細かいポイントだが、コンディションに合わせてさまざまなウェッジを使い分けるプレーヤーは、より一貫したパフォーマンスに気づくかもしれない。

スピン

数年前まで「スピン」はウェッジの話をする際には欠かせない要素だったが、最近ではグルーブ(溝)のスペックが注目されるようになった。その結果、スピン向上の明らかな進歩は減少し、スピン量よりもむしろパーツごと、ショットごとの一貫性が重視されるようになった。

これは生産業者の裏話だが、グルーブカッターは摩耗するので機械のメンテナンスが行き届いていないと、製造工程の最初と最後ではグルーブカットの鋭さに差が出てしまうという。

ボーケイはすべてのヘッドを均一にするために厳しい基準を定め、SM7のすべてのヘッドを検査して、適合基準の許容範囲内に収まっているかを確認している。

さらにボーケイは、グルーブを長く保つために、製造プロセスに独自の熱処理を加えた。

ミズノが軟鉄ボロン鋼を使用して強度をアップしたように、熱処理を施したグルーブは、寿命が約2倍に延びると言われている(バンカーテストより)。

3種類の仕上げオプション

以前のモデルと同様に、SM7には仕上げのオプションが3種類用意されている。

定番はツアークロム(Tour Chrome)で、売上の約50%を占めている。おそらく時代を超越した、ルックスと耐久性が人気の理由だろう。

ジェット ブラック(Jet Black)は、QPQ(クエンチング、ポリッシング、クエンチング)処理による仕上げでSM5から仕上げオプションの仲間入りをした。SM7の色合いは以前より濃い。そしてSM6では赤と白で塗られていた部分が、すべて黒で塗り潰されているのが大きな変更点だ。黒で統一されたルックスはとても印象的だ。この配色はツアープロからのリクエストが多かったので、ボーケイはDグラインドと同様、この配色も導入することにした。いい判断だと思う。

ブラッシュド・スチール(Brushed Steel)は、ブラックニッケル仕上げの新バージョンである。SM6のスチール・グレーより濃く深みのある色合いだ。私の見たところ、光の加減により赤銅色とグレーの中間色にも見える。光沢があり、バターのような滑らかな表面仕上げだ。大げさではなく、素晴らしい仕上がりだと思う。

3種類の仕上げは、すべてのロフトとグラインドで選択可能だ。

 

「グラインドを知り、スコアを伸ばす」

正しいボーケイウェッジを見つけること、それはボーケイの言う「グラインドを知り、スコアを伸ばす」ことに通じる。すべては正しいフィッティングから始まる。これはボーケイとの会話の中で何度も強調されていたことだ。

ボーケイのマーケティングマネジャー、ジェレミー・ストーン氏は言う。「フィッティングに時間をかけてもらいたい。そうすれば、ゴルファーをより素晴らしいショートゲームに導くことができる。」

よく言われることだが、適切なウェッジが選択できていないゴルファーは多い。ウェッジには他のクラブにはない正確性と多様性が求められるのに、おかしな話だ。問題は、あなたがウェッジを買う場所で、的確なフィッティングをする準備がされているかどうかだ。ロフトやグラインドの種類が豊富で、実際に芝やバンカーで試打できる場所はいったいどれぐらいあるだろう。

すべてのウェッジのすべての機能を試す機会がどれほどあるのか疑問である。

ウェッジのフィッティングにはまだまだ壁があるようだが、ボーケイがその障壁を取り除くのであれば、ここではあえて触れないでおこう。

ボーケイは1,400セットのキットを送り、多くのゴルファーにボーケイのウェッジを試す機会を与えたいと考えている。キットには、最も人気の高いロフト角とグラインドの13種類の組み合わせと、8ダースのPro V1ボールが入っている。

もし近くでこのような機会があれば、是非フィッティングを試してゲームに役立てて欲しい。

 

在庫と販売価格

Vokey SM7 ウェッジは、3月9日より149ドルにて販売予定。

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