ミズノ「M.CRAFT OMOI」パター – 主要ポイント

・人気のミズノ「M.Craft」シリーズに「Mizuno Omoi」パターが新登場

・3色のカラーバリエーションと、重いヘッド採用の新設計

・2月17日先行販売開始、3月17日店頭販売開始

・希望小売価格は349.99ドル


ミズノは新しいパターに多くの思いを込めている。実際、「OMOI」という言葉は日本語で“思い”を意味する。しかもそれは何気ない“思い”ではない。

「OMOI」に込められた思いは、“深い思い”、あるいは“重い思い”とすら言えるかもしれない。ミズノがこの新しいパターに込めた“思いの重さ”についてはすぐにわかってもらえるはずだ。

「OMOI」モデルは、好評を博したミズノ「M.Craft」シリーズの後継となる。「OMOI」パターは、ブルーイオン仕上げのオプションや複数のヘッド形状など、「M.Craft」シリーズのいかした特徴のいくつかを継承している。

一見、ヘッド形状は前モデルと同じだと思うかもしれないが、設計上の大きな違いがひとつある。それは名前が語っている。繰り返しになるが、“重い思い”だ。

ミズノ「OMOI」パターのカギとなる新機軸は、「M.Craft」の前作からかなりのウエイトがシフトしたことにある。


「OMOI」か?「OH, MOI」か

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「OMOI」の名前の素晴らしいところは、日本語を知らなくてもパターにおけるその名前の意味を正しく推測できることだ。必要なのは、ほんの少しのパターの知識だけ。

まあ、パターの知識だけでは「重い思い」の定義までは行き着かないかもしれないが、パターの設計を学んだ者なら誰でも、「MOI(慣性モーメント:インパクト時のクラブの捩れに対する抵抗の尺度)」が重量配分に関係することを知っている。

自分はそもそも「OMOI」が意味のある言葉だということすら知らず、パターの「MOI」を格好良く表現しただけだと思っていた。

「OMOI」パターは、ヘッドの重たいパターだ。ブレード2種のヘッド重量は370g、マレットは383g。これらのパターにはウエイトキットが付属しているので、それぞれ合計10gの重量増減が可能。380gのヘッドは、ブレードでもマレットでも重たいヘッドに分類される。

パター全体を特に後方から見ると、重量の増加はパター底部の金属の増加によるものだということがわかる。重量の追加は、特に「調整可能ウエイト」と組み合わせたときに、重心を効果的に下げるとともに「MOI」の向上にも役立つ。


なぜ重くしたのか

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では、なぜミズノは「OMOI」モデルを重たくすることにしたのか?その理由のひとつは「安定性」にある。パターの「MOI」を高めることができれば、「安定性」も高めることができる。

つまりどういうことかというと、ストローク中の捩れが少ないパターは、より安定したストロークを促すものだからだ。これはパター設計における「重大な要素」のひとつ。大半のパターメーカーから同じキャッチフレーズを聞くのも不思議ではない。

ミズノのストーリーが特別なのは、ユーザーからのフィードバックを設計決定に取り入れたことだ。前作の「M.Craft」パターには、すべて追加のウエイトキットが付属していた。

ミズノは「M.Craft」パターのユーザーに、使用ウエイトについて尋ねた。標準のウエイトのままか、より軽い/より重たいセットに交換したのか?その結果、ユーザーはより重たいウエイトに交換しているという傾向が明らかになった。

パターメーカーにとって、これはより重たいパターを作るためのお膳立てが整ったということになる。ヘッド内の重量を再配置することで、パターの「安定性」と「MOI値」の向上が望める。これにより、パターの性能も向上することになる。

ユーザーがパターに重たいウエイトを使用すると言っているのだから、より重量感のあるパターを提供すれば、製品がパター売り場からレジに直行するのに役立つはず。これが製造とマーケティングの融合だ。


ミズノ「OMOI」の成り立ち

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「OMOI」パターは、ミズノに期待されるデザイン要素をしっかり備えている。ヘッドは『1025カーボンスチール』を鍛造後、ミルド加工して作られている。

過去の「M.Craft」同様、アグレッシブな深めのフェースミリングも施されている。美しいブルーイオン仕上げを含む3色のカラーバリエーションも健在だ。

見た目ではわからないところでは、パターの構成部品の変更がある。グリップもパターシャフトも過去のものより軽くなっている。計約20gの軽量化だ。グリップとシャフトの軽量化によって、パターの全体重量を増やすことなく、パターヘッドに余剰重量を再配分することができる。

今回、パターの総重量は過去モデルと同じでも、パターの内部の重量配分は同じではない。パターの重心がヘッド側に移動したことで、より重く感じられるようになり、ヘッド内に追加された重量が「MOI」を高めている。

先ほども言ったが、設計上の変更はどれも微妙なものだ。パター底部に追加された重量を探しでもしない限り、変化に気づくことはないだろうし、グリップとシャフトが軽くなった事実を知らなければ、すぐにそれと感じることもないだろう。これはウエイトシフトであり、重量の完全な再配分ではない。

重量は移動しているが、サックスパレンテパターのような極端な規模での移動ではない。まだかなり標準的な移動だ。おそらくヘッドが少々効いているなと思う程度だろう。


ミズノ「OMOI 01」

「OMOI 01」はフローネックのブレードだ。3つのヘッドの中では少し重くて分厚く見える。バンパーに曲線はあるものの、端は尖っていない。背後から見ると、パターの底部厚みが足されているのがわかる。わずかなフローネックにより、3本のうち最もトゥバランスが強くなり、水平より約60°のトゥハング(トゥの傾き度合)となる。


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また、背後から見ればハイトゥであることに気づくだろう。個人的にはハイトゥパターは大好物。では、ハイトゥ設計でパターの性質自体は変わるのか?

おそらくアドレス時にパターが少々アップライトに見えるようになるのと、トゥ側により多くの重量を配置することで「MOI」の向上に役立つ可能性はある。とはいえ性能に関してはあまり気にしていない。なにしろハイトゥの見た目が大好きなだけだから。


ミズノ「OMOI 02」

「OMOI 02」はシリーズで最も伝統的なヘッドだ。クラシックなアンサータイプだが、「01」同様、底部に向かって重量が足されていることがわかるだろう。クランクネックにより40°のトゥハングとなる。

すべてのヘッドですべての仕上げが選べるが、写真のパターはブラックイオン仕上げを採用している。この仕上げに、ブラックペイント、ブラックグリップ、ブラックシャフト、ブラックヘッドカバーを組み合わせると、PXGばりに漆黒のパターが出来上がる。


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ターゲティングをフランジサイトラインに大きく依存している人は、少々白く塗る必要があるかもしれない。しかし全体的には黒く塗りつぶされた見た目はこのヘッド形状にマッチしている。左利きの皆さま、現時点で左利き用があるのはこの形状だけなので、気に入ってもらえるといいのだが。


ミズノ「OMOI 03」

今回の「OMOI 03」はかなり大きくなっている。確かに、どのパターも大きくなったが、「03」は他のものよりさらにサイズアップしている。「03」は今ではクラシックな丸みを帯びたマレットに見える。トップラインは厚く、バックフランジはより円形に近い輪郭となっている。前作の「03」は丸いというより卵形に近かった。


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このパターはフェースバランスで、わずかに弧を描くストロークに合う。さらに重要なことは、ブルーイオン仕上げを採用していること。個人的にはこの仕上げが気に入っている。他と違うから好きなのかもしれない。それは確かだ。とにかく、素晴らしい見た目で、ミズノのパターであることを高らかに宣言している。

今回のブルーイオンは、特に「03」のヘッドに施したときに顕著だが、光が当たる角度によってトーンの変動が大きいのが特徴だ。ブルーイオンはまばゆいばかりに輝いている。

あとはミズノがブルーイオンのアイアンを出してくれるよう願うばかり。ブルーイオン仕上げの「HOT METAL」なら即オーダーする。


ミズノ「OMOI」パターは“試すべし“リスト”に入っただろうか?

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ミズノはアイアンだけのメーカーではないと認識する時期が来ていると思う。ミズノは近年、かなり多くの優れたパターを作っている。つまり、近所のゴルフショップでミズノ「OMOI」パターを見かける可能性大であるということだ。

このパターを見て、何か“重い思い”を抱いたなら、事前注文を考えるべきかもしれない。希望小売価格は349.99ドル。

2月17日から先行販売を開始し、1ヶ月後には店頭に並ぶ。残念ながら、聖パトリックの祝日(3月17日)の段階では、グリーンイオンの限定バージョンはまだお目見えしない。